暁 〜小説投稿サイト〜
ノーゲーム・ノーライフ・ディファレンシア
第五話 紛れもない愚者
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()()()()()()()()()()のだから、その推測は正しいに決まっている────そう、常軌を逸した信頼からなる白の発言に、ジブリールはハッとして。
続き、マスターたる空を疑った事を恥じるように顔を伏せ────今はそうしている場合ではないと頭を振り払って、空の質問に答えた。

「思い当たる魔法はあります────しかし、彼が使えるとは思いません」
「あ、ならその魔法だ。ジブリール教えてくれ」

ジブリールの二言目は聞こえていなかったかのように空が言う。その言葉に、ジブリールは今度こそ疑うまいと恭しく答える。

「はい────『時間操作』かと思われます。私すら精霊量が足りるか怪しい魔法ではありますが」

────このデタラメが「怪しい」レベルの魔法行使?本当にその魔法かなあ……?
すこぶる不安になってきた空だが、他に候補がないならそれで合っているのだろうと己を納得させ、続ける。

「やばいな、その魔法。マジで『切り札』じゃねえか」
「でも、そんな魔法……グシ、喀血せず、使える、の?」

白が、当然の疑問を口にする。しかし、空はそんな常識的な疑問など既に棄却していた。
────()()()()()()()()()()()()()()()()()。そう、空はその認識を骨の髄まで徹底していた。咄嗟に常識的な疑問を思ってしまった、白よりも────徹底していた。
だが、だからこそ空はグシの脅威を誰よりも正しく認識してしまった。
ジブリールすら扱うのは難しい────そんな魔法をあっさり使ってのけるなら、今のグシは限りなく無敵に近い。何せ、その頭脳は『  』に追随するほど、魔法適性をぶち壊す故にその魔法の扱いは恐らく森精種にも劣らない。天翼種すら超える精霊量行使、『血壊』まで使う故に身体性能さえ物理をねじ伏せている。
もはや人類種とカテゴライズしていい者ではない────いや、そもカテゴライズなどしようがない。
正しく最強、完全無敵。いのの余裕など、無知が故の驕りでしか無かったという────事実。

「────さすが『愚志』ってわけだ。こりゃー、先輩面するのも大変になってくるな────」

空はその事実に冷や汗をかいた。
だが、グシがそんな脅威へと成長しているならば、尚更その脅威のレベル────グシの情報を理解しなければ、『  』といえど敗北する他なくなってしまう。
『  』の片翼として、そんなヘマは出来ない────空はそう考え、すぐさまディスプレイへと目を向け直した。

────そこには、追い詰められた巫女といづなの姿があった。

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