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ノーゲーム・ノーライフ・ディファレンシア
第五話 紛れもない愚者
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られるんだ」

そう、グシは答えを告げた。その言葉に徐々に鬼気がこもり始め、お遊びは終わりだと言外に告げる。そして、亜音速の弾丸を放ち────グシは、その笑みを意地悪く歪めた。



「そもそも、賢く生きるなんて真っ平だからな。愚者なのは自明だろ?」



その言葉の意味は、いのには分からない────分かるのは、自分が弾丸を撃たれた事、グシに攻められている事だけだった。

────速い。抜いてから撃つまでの挙動に、一切の無駄が無い。しかし、血壊を使った今の状態なら、それでも十分避けられる。
先の発言の意図は気になるが、単なるハッタリという事も考えられる。どちらにせよ、今回避行動を取ることを躊躇う必要は無い。
そういのは確信し、悠々と回避行動を取ろうとして────

「────ッ!?」

嫌な予感に駆られた。心臓が止まったとさえ錯覚するその予感は、見事に的中する。
十分避けられるはずだった弾丸、それが視界から消えて失せ────気づけば、それは()()()()()()()()()()()
その理解が出来ない事象に困惑しながら、いのはグシの言葉を聞いた。

「血壊個体がこの弾丸を避けられることなんざ────疑似血壊使い(おれ)が把握してないわけないだろ?避けさせねえ一手まで、当然用意してるさ」

いのにそう悠々と言ってのけ、グシは次の獲物を狩りに向かった。
それを呆然と見送り、いのは未だ混乱の収まらない頭で信じられないとばかりに呟いた。

「……その一手がなぜ打てるのか、とそう問いたいですな」



一方、その様子を観戦していた空が口を開く。

「ジブリール────()()()()()()()()使()()()()()()()()()()()

グシの不可思議な挙動を魔法と断じ、ジブリールに問う空。しかしジブリールは、その質問に眉をひそめる。
────マスターの言う通りだ。獣人種の電子ゲームでは、魔法を使う事は出来ない。そのようにプログラムされている────いかにグシとて、その例外にはいない。
しかし、にも関わらず、空はそんな当然を疑問に思い口にした。それはつまり、当然の前提条件を疑っているという事にほかならない。だが、自分でさえひっくり返せなかった前提条件を、ただの人類種であるグシにひっくり返せるものなのか────
ジブリールはそう逡巡したのだろう。だが、白がその迷いを断ち切るように一言、ジブリールに呟く。

「にぃが、使ったと、感じたなら……グシ、魔法、使ってる」

()()()
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