第五十四話 最後の学期になってその七
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「そのことは」
「いるって」
「そうよ、そうしたらその相手の人大事にしなさいね」
「いないわよ、そんな人」
心当たりがありません、何処の誰なのか。
「一人もね」
「そこでそう言うけれどよ」
「私が気付かないうちになの」
「いるかもね」
「そうかしら」
「そうそう、そうしたらそうした子大事にしなさいね」
「そんな人いるのかしら」
幾ら周りの人を考えてもいないです、だから余計に不思議に思っていましたが。
授業もはじまりました、その授業ででした。
先生もこれが私達にとって最後の学期になるとお話しました、そうしてはじまった三学期でしたが本当に時間が経つのが早くて。
一月は駆け足で終わりました、それでそのことに本当に時間が経つのって早いものねって思っていますと。
休日商店街に出ているとまた阿波野君に会いました、しかも制服姿です。
その阿波野君にです、私は自分から声をかけました。
「また休日に帰ってきたの」
「はい、回廊ひのきしんをさせてもらいに来ました」
「制服で?」
「これが一番暖かいんですよ」
私ににこりと笑って言ってきました。
「中に色々着られて」
「だから制服なの」
「それに制服が一番自然ですからね」
「自然っていうと」
「ですから外を歩いても」
そうしていてもというのです。
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