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オズのキャプテン船長
第三幕その三

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「お寿司にしましょう」
「それはいいね」
「色々なネタを出すから」
 こうもお話するトロットでした。
「皆で楽しみましょう」
「それではね」
 船長はトロットの言葉に笑顔で頷いてでした、それぞれ甲板の上で景色を楽しんでいる皆を船の中に案内してでした。
 船の底を透明にするボタンを押してそうしてでした。船の中から奇麗な珊瑚礁や泳いでいる沢山の海の生きもの達を観ながらお寿司を食べるのでした。
 そのお寿司の中から鮪を選んでお口の中に入れつつです、恵梨香は言いました。
「オズの国の船って潜水艦でもね」
「ええ、こうしてね」
「海の中観られてだね」
「この船でもだよね」
「普通に観られるね」
 ナターシャ達四人も恵梨香に応えます、勿論四人も他の皆もお寿司をそれぞれ食べて美味しい思いをしています。
「それがいいよね」
「ただ海の上を進むんじゃなくてね」
「その中も観て楽しめるから」
「それもいいことよね」
「そうよね、こうした楽しみもね」
 まさにと言う恵梨香でした。
「素敵よね」
「これがオズの国の船旅よ」
 ビリーナは雄氏は食べていません、ただお寿司のご飯を食べて言うのでした。
「だから私も好きなのよ」
「海の中も観られるから」
「それでなのよ」
 それ故にというのです。
「私も大好きなのよ」
「そういうことなのね」
「ええ、観て」 
 海の中のある場所を指差してです、ビリーナは恵梨香に告げました。そこでは蛸がいて気持ちよさそうに泳いでいます。
「大きな蛸でしょ」
「二メートルはあるわね」
「蛸が泳ぐ姿はあまり観られないでしょ」
「隠れていることが多いしね」
「そうしたものも観られるのよ」
「オズの国の海の旅だと」
「だからいいのよ」
「そうなのね、あの蛸さんは」
 こうも言った恵梨香でした。
「美味しそうね」
「そこでそう言うの」
「だって私蛸好きだから」
 見れば恵梨香が今食べている寿司のネタは生蛸です、まさにそれです。
「それでなのよ」
「そう言うの」
「駄目かしら」
「駄目じゃないけれど恵梨香らしいわね」
「私らしいの」
「もっと言えば日本人らしいわね」
 そうだというのです。
「どうもね」
「蛸を見て美味しそうっていうのが」
「もうね」
 そのことがというのです。
「日本人ね」
「蛸を食べる国の人は少ないからね」
 船長も恵梨香にお話しました。
「だからこう言うんだよ」
「そうなんですね」
「実際にだよ」
「蛸を食べる国の人は少ないんですね」
「烏賊も案外少ないけれど」
「蛸はもっとですか」
「日本と中国は食べたかな、あとイタリアに」
 船長は具体的に蛸を食べる国を挙げてきました。
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