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うちはオビト逆行物語 改 〜逆行?何それ美味しいの?〜
幼少編
うちはオビト逆行物語『対カカシ』
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止まる。
長い静寂、それでも周りへの注意と殺気を飛ばすのを忘れることはしなかった。殺気は飛ばし過ぎず、だが無駄に強めに。コイツが負けるまで、そのクナイを収めたりはしない。そして静寂を破ったのは審判の一拍と引き締まったような声だった。
「勝負あり、勝者うちはオビト。」
静まり返った会場がザワつく。クナイを引き忍具ポーチにしまい、カカシに手を差し伸べる。
「…何だよ、なんでそんなに強くなれた訳?」
悔しそうな、しかしどこか諦めたようなカカシの表情に苦笑をうかべる。この力は、自分の理想を叶えるための、その手段を増やすためのものだった。だから、強くなれた理由など浅はかな物で口に出すことすら恥ずべきことではあるのだが、結局はこう答えてしまっていた。
「…仲間の為だよ。他の誰でもない、お前らの為に、俺はどこまでも強くなるさ。」
仲間、結局はそれが全てで、それが始まりだった。リンは仲間だった。大事な仲間で、想い人だった。だからこそ。そんなリンが、同じ仲間であるカカシに胸を貫かれた姿は、今までで何よりも絶望してしまった。
「仲間って…なんで。」
「さぁな、自分で答えを出せよ。優等生。」
カカシが差し伸べた手に中指と人差し指を出して、静かにその指同士を結んだ。その手は自然と和解の印になっていて、何だかおかしくなって笑えてしまう。
「…今回は、俺の勝ちだな。」
「何それ、次は負けないよ。」
挑発的な笑みを浮かべたカカシに自然と口角が上がった。カカシにとっての次はきっといつも通りの組手だろうが、俺からしてみれば数十年した後の出来事になるなんて、そう言ったらコイツはきっと馬鹿にするのだろう。
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