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星河の覇皇
第七十二部第一章 マウリアの人口統計その七

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「そうした国でありだ」
「それが、ですか」
「終わる時が来る」
「一説には千億の人口と彼等の戸籍、総生産が」
「マウリアに入るのだ」
「そうなるのですね」
「今後の人口統計でな、そしてそのマウリアがだ」
 ギルフォードはカミュ、アランソにあらためて真剣な顔で話した。
「我々と連合の間に立ってだ」
「そうして、ですね」
「バランサーとして動きますか」
「これまで以上の力を備えて」
「そうしますか」
「そうだ、そして我々にもだ」
 首相、副首相にさらに話した。
「そのマウリアから今から利益を得ていくのだ」
「技術ですね」
 カミュは利益と聞いてすぐに述べた。
「軍事技術、惑星開発及び開拓技術に」
「宇宙船もだな」
「そちらの技術もですね」
「連合のロートルの技術だが」
 彼等から見れば最早古過ぎて何でもない技術だ、連合はそうした技術を同盟国であるマウリアに供与し続けてきたのだ。
「マウリアにとっては彼等の最新技術以上でだ」
「我々にとっても」
「そうなる」
「だからこそですね」
「これまでマウリアはその彼等の技術でもだ」
「さらなる低い技術しか、でしたね」
「我々に供与しなかった」
 連合との関係を考慮してだ、あくまで連合とエウロパの力関係がこれ以上連合に傾かない位にしてきたのである。
「何しろ連合は力が強いがな」
「様々な国家、勢力が混在しています」
「無数の頭を持つ巨獣だな」
「そうした国です」
「それではだ」
「幾ら力が巨大でも」
「頭同士が常に争っていてだ」
 その頭が全てそれぞれの考えを持っていてだ。互いに主張し合い噛み合ってきたというのである。尚これは事実で今もだ。
「力がまとまらない」
「だから我々は連合とは国力差は百倍でもな」
「対抗出来ていました」
「まとまりのない国の相手は楽だ」
 それが幾ら巨大でもというのだ。
「その分な」
「その通りです」
 アランソもはっきりとした声で答えた。
「船頭多くしてです」
「船は、だな」
「進みません」
「下手をすれば沈む」
「そうした国ですから」
「相手が出来た」
「これまでは」
 そうだったというのだ。
「そうでしたね」
「中央軍もなくだ」
「中央政府も権威が弱く」
「工作員も送れた」
「だから百倍の国力差があろうとも」
「相手が出来た、しかしだ」
 その相手が出来た状況がというのだ。
「それが変わった」
「中央軍が出来て」
「しかも我々との戦争にも勝ち」
「権威も高まっていますし」
「国家も以前よりまとまっています」
 あくまでこれまでと比較してだ、今でも連合は他の国と比べると中央政府の権限は弱いままであるのだ。
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