第四話 訪れる者
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コマだけを渡されているはずだ。
そして当然、いきなりコマを渡されたりなどすれば、コマが何故現れたのか、そもそもこのコマは何なのか、疑問に思う。そこにこれ見よがしにコマを見せつける者が現れたら────?
当然、コマの詳細を知る者と踏んで、その情報を引き出そうとするだろう。
それによって、本来コマが欲しいグシがゲームを仕掛けなければならない状況が一転する。巫女たちもまたコマの情報が欲しいのだから、互いの立場はイーブンになるのだ。
そう、グシは必ず仕掛けなければならないという劣勢を、ただコマを見せるだけで覆したのである。
そうとは知らず、巫女達は────グシの思惑通りに、コマの情報を求めて口を開いた。
「ちょうどえぇな。シグ────話があるんやけど」
「悪いがその名前はもう使ってねぇんだ。グシ────そう呼んでくれよ」
互い、不敵な笑みを湛えて。
にこやかではあれど、決して和やかではない視線を────交錯させた。
■■■■
────グシが巫社を訪れるのと同時刻。
空達一行は────ジブリールの空間転移で、オーシェンドへと乗り込んでいた。
当然、唯一神のコマを集めに来たのである。
彼らの前にいるのは、2人。
黒いコマを持つ2人。
背中から黒い羽を生やした1人と、下半身が魚のように出来ている1人。
2人は────空より空々しい笑みを浮かべて、口を開いた。
「……へえ、このコマって空さま達が欲しがるような価値があるんですねえ」
そう、幸薄そうな顔に悪意を貼り付けて言うのは────プラム。
「う〜ん、アミラちゃんは渡す気ないよ〜ウフフ☆」
馬鹿の皮を被り、コマを賭けないと断言するのは────アミラ。
しかし、そんな二人の反応など、空は聞いてすらいない様子で
話を切り出す。
「なあプラム────覚えてるか?ゲームにおける最高の勝ち方」
「────?」
唐突な話題の転換に首を傾げるプラム。いったい、その話をなぜ今切り出すのか────空の意図が読めず、プラムは警戒心を潜めつつ言葉を返した。
「不戦勝────でしたっけぇ?駆け引きでそれを成すのは、今回は不可能ですよぉ?」
────不戦勝は、確かに最高の勝ち方。理想と呼んで
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