王家の秘宝
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<ピラミッド>
珍しくリュカを先頭に隊列を組む一行。
モンスターに発見されぬ様、物音を立てない様に歩く………しかし、足下には大量の白骨体が散乱し、実質音をさせずに歩く事は出来ない。
「しくじったな…」
不意のリュカの呟きがみんなを不安にさせる。
「ど、どうしたんですか?何をしくじったんですか!?」
アルルを担ぎリュカの直ぐ後ろを歩くウルフが、震える声で訪ねた。
「足下を見ろ…白骨体が増えている」
「そ、それが…?」
「つまり…こっちで死ぬ人が多いって事だよ!」
「じゃ、じゃぁ…今からでも引き返しませんか?」
「何言うねん!出口に近付いてるから、トラップが発動してるのかも知れへんやろ!」
「そうだね…ウロチョロしても危険だ…取り敢えずは進んでみるしかないね」
そしてリュカは進み出す。
トラップが何時発動しても対応できる様に、慎重に…ゆっくりと…
一行は行き止まりの部屋で立ち尽くしている…其処には大きな石棺しかない。
「ちぃっ!こっちじゃなかったか!」
リュカが踵を返し、元来た道を戻ろうとすると、エコナが声をあげ皆を止める。
「なぁ!あの石棺…怪しくないか!?もしかして出口に繋がる通路になってるかも!」
「何言ってんだよ!俺達は地下に落ちたんだぞ!更に地下へ潜ってどうすんだよ!」
「アホか!上へ向かうだけが、地上への道とは限らへん!一旦地下へ潜る事も必要かもしれへんやん!」
そう言うとエコナは慎重にだが石棺へと近付き、石蓋に手をかける。
しかしエコナ一人の力では動かない…見かねたハツキも一緒に押し始める。
リュカも『通路は無い』と言い切れず、ただ黙って見てるしか出来なかった。
(ズッズズズズズズ…………ゴドン!)
石蓋を押し開け中を見ると、其処には2体のミイラがあるだけで通路等は存在しない。
「ただの石棺だ…引き返そ!」
「待って下さい!何か変じゃないですか…このミイラ!?」
トラップの発動しそうな宝箱や棺などには、なるべく触りたくない…触ってほしくないリュカは、石棺に出口への切っ掛けが確認できなかったので、サッサと来た道を戻ろうとしたが、エコナが石棺の中に違和感を感じた為、皆を呼び止め2体のミイラを調べ始める。
「ねぇ…何が変なの?棺に死体が入ってたって、変じゃないよぉ!早く出口探そうよぉ!」
「見て下さい、このミイラ…1体はキレイに埋葬されてあるのに、もう1体は雑に放り込んだ様に見えます!」
「ほんまやねぇ…普通、棺に入ってる遺体って仰向けでキレイに整ってるはずや…でもこの上に乗っかてるミイラは横向きや…しかも背中を丸めてる………ん!?何か抱き抱えてるで!」
エコナは雑に埋葬されてるミイラの腕を、無理矢理こじ開けて抱き抱えている物を掴み出す!
《何であの娘ミイラに平
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