王家の秘宝
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………だが、痛みはなく骨折も完治している。
「…私…どうなったの?」
「え〜…憶えてないのぉ…結構大変だったんだよ!」
そうは言うが、リュカは笑顔でアルルに説明してくれた。
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「………それでみんな疲れ切って寝てるのね…」
部屋の中を見渡すと、ウルフ達が薄汚れた恰好のまま、床やソファーにだらしなく眠っている。
「ごめんなさい…迷惑かけちゃったね…」
「うん。大迷惑だよ」
リュカは笑いながらアルルの頭を撫でる。
しかし急に真面目な表情になり、アルルに苦言を呈す。
「アルル!あんまり僕を当てにした作戦を立てないでくれ!確かに僕は年長者の為、君達よりは多少強い…」
イヤ、多少ではないだろう…アルルはそう思ったが、あえて口には出さなかった。
「でも僕はこの世界の人間じゃない!元の世界に帰る術が見つかれば、直ぐにでも帰るだろう…もし、あのピラミッド内にそんな装置があったのなら、僕は直ぐさま帰るだろう。僕の事を当てにして、ダンジョンの奥に進んだ場合、急に僕が居なくなったらどうする?僕が居なくても町まで帰れる様にしないと…」
アルルはこの時初めて分かった…リュカが戦闘をしないのは、自分たちがリュカに依存しない為だと…
「焦っちゃダメだよ。一旦退く事も大事だよ。アルルは勇者なんだから、みんなを導かないと…」
そしてリュカは自室へと引き上げた。
床等で泥の様に眠る仲間を…ボロボロに薄汚れるまで戦った仲間を見て、涙を流すアルル…
自分が彼等の命を握っている事に気付き、責任の大きさに涙が止まらない…
アルルは思う…
リュカに出会ってなければ、アリアハン大陸で命を失っていただろうと…
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