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星河の覇皇
第七十二部第一章 マウリアの人口統計その五

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「いるにだ」
「彼等もですね」
「国家として取り締まりやすくもなる」
「これまで以上に」
「だからだ」
「余計にですか」
「クリシュナータ主席はアウトカースト層を入れたいのだ」
 マウリアの社会にというのだ。
「犯罪組織は野放しには出来ない」
「決して」
「これはどの国でも同じだ」
 まさにというのだ。
「だからな」
「その通りですね」
「そうだな」
「はい、若しもです」
 アランソは厳しい顔になり語った。
「マフィアを放置しますと」
「利権を拡大させていく一方だ」
「かつてのシチリアやナポリの様に」
「あらゆる産業の裏を握る」
 実際にそれでシチリアやナポリは健全とは言いにくい状況になってしまっていた、彼等があまりにも蔓延ってである。
「清掃業なり農業なり配達業なりな」
「そうしたものの裏をですね」
「握ってしまう」
 パン、主食のそれを作る麦の手配等を握ってしまった場合もあった。
「そして強くなってしまう」
「ですから」
「マフィアは放置できない」
「その通りですね」
「ましてやマウリアはだ」
 この国はとうと。
「我々と同じく階級社会だ」
「カースト制が確立している」
「そうした社会だからな」
「マフィアも然りですね」
 エウロパでもマフィアはファミリーが代々家業にしている、そのうえで莫大な富を何百年で蓄積している家もある。当然エウロパの社会問題の一つにもなっている。
「あちらでは」
「そのアウトカーストの中でもな」
「特に警戒しなければならないですが」
「それをしてこなかった」
 マウリア、この国はというのだ。
「カースト制故にな」
「アウトカーストを社会から除外する」
「この考えからですね」
「彼等を全て排除し」
「その中にマフィアもいたのですね」
「その彼等もな」
 尚ギルフォードはマフィアにも断固とした態度で挑んでいる、彼等を一掃する政策も強く推し進めている。
「放置されていた、だが」
「それでもですね」
「これからは違いますね」
「その彼等を、ですね」
「人口統計に入れて」
「把握して」
「対策を講じていくのですね」
 カミュとアランソも言う。
「そうなりますか」
「あの国もまた」
「必ずな、だがマフィアへの対策は容易ではない」
 それを知っているからこそだ、ギルフォードはこうも言った。
「どうしてもな」
「はい、マフィアの根絶はです」
 カミュが元内相として述べた、内相は即ち国内の政治を広く請負いその中に治安もかなり関わってくるかである。
「彼等が裏にいますので」
「影にな」
「社会の」
「だからです」
「どうしてもな」
「対策を講じてもです」
 それでもというのだ。
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