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ある晴れた日に
702部分:冬の嵐は過ぎ去りその二
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冬の嵐は過ぎ去りその二

「思いませんでした」
「誰もが思わないようなことが一つになる」
 また言う青島だった。
「そこに現実があるんだ」
「じゃあこの子達が言うことは」
「そうだ、間違いない」
 強い光を放つ目での言葉だった。
「真実だ」
「それだったら」
「行こう」
 小泉の前に出ての言葉である。
「今からね」
「俺たちを信じてくれるんですか」
「本当に」
「先に言った他の理由もあるよ」
 青島は微笑んでその正道達に言ってきた。
「君達自身を見てもね。わかったよ」
「俺達をって」
「どういうことですか?」
「まず君達は見たところまだ若い」
 若いというのである。だがこれは高校生だから当然である。
「自分に対して嘘を突き通すにはね」
「嘘を突き通すには」
「それって一体」
 どういう意味か首を捻ってしまう彼等だった。しかし青島はここでまたその彼等に対して言うのだった。
「もう一つの言葉は目は口程にものを言う」
「目は口程に」
「ということか」
「君達は全員嘘をついている目じゃなかった」
 このことも言うのだった。
「全くね」
「目がですか」
「それを」
「そう、目は嘘をついていなかった」
 このことを指摘していた。はっきりとだ。
「それなら。その君達はね」
「信じてくれるんですか」
「だから」
「しかもそれは全員だからね。それだと信じるしかないね」
 こう言って微笑んで、であった。傍の椅子にかけてあった白いトレンチコートを取ってそれを着て。そのうえで今度は小泉に言ってきたのだ。
「僕達も行こう」
「俺達もですね」
「ここの留守は碇屋さんに任せて」
 そうするというのである。
「それで行こう」
「じゃあ二人で」
「案内してくれるね」
 また子供達に顔を向けて言ってきた。見れば背は割かしある。一八〇位だ。
 その背で彼等に言ってくるのであった。
「その場所に」
「はい、じゃあ」
「今から」
 正道達も頷いてだった。そのうえで吉見のマンションに向かうのだった。
 そのマンションの前に来るとだった。小泉が怪訝な顔で青島に問うた。辺りは既に夜である。かなり寒くなっており凍えるようであった。
 その中でだ。彼は青島に対して声をかけてきたのである。
「あの」
「ここだね」
「ここってあの吉見兵衛の家ですよ」
 こう彼に言うのであった。
「それこそ警察を目の敵にしている」
「そう、あいつだ」
「厄介な相手ですね」
 小泉はこう言ってその顔を曇らせた。
「これはまた」
「そうだな。けれど」
「けれど?」
「あいつは前から怪しい話が多過ぎる奴だ」
「ええ、見込み捜査は駄目ですけれどね」
「あいつはそれ以前の奴だ。見るからに黒だ」

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