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この素晴らしい世界に文明の鉄槌を! -PUNISHMENT BY SHOVEL ON THIS WONDERFUL WORLD!-
十一丁
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「爆裂魔法系の代わりに爆発する薬を作った。さらには国一つを丸々一つ吹き飛ばした上に猛毒を撒き散らす道具を作った」
「そうそう、あとは時間を正確に記録する装置や数億…いやほぼ無限に等しい本を閉じ込めた手のひらサイズの板、幾億桁もの計算を一瞬で終わらせる機械なんてのも開発された」
「太陽を再現しようとしてたがそれはむりだったらしい。
まぁ、星々の世界を見れる装置なら有ったがな」
「そんな便利な道具が溢れ、その世界はこの世界よりも遥かに発展し、遥かに高い生活水準を実現していた」
「が、そんな技術は人間に牙を向く事もあった」
「鉱山の鉱毒はこの世界にもあるが、異世界では鉱山採掘も大規模だった。
だから多くの人が死んだ。
急激な発展の中、水銀やクロムといった鉱毒と同じような物が大量に発生し、多くの人が苦しんだ」
「人間は土地や資源を求めて森を切り開き山を崩し川をせき止め海を埋めた」
「結果、多くの動植物が絶滅した」
「大きくなりすぎた国同士の戦争ではさっきの銃という道具が使われた」
「銃だけじゃない。像より大きい車に人よりも長くて大きい銃を積んだ戦車。
音よりも速く飛んで爆弾を落としたりする戦闘機。
踏んだら爆発する地雷。
そして、国をも吹き飛ばす核爆弾」
「核爆弾の毒はじわじわと体を蝕み、ある日突然死ぬ人もいた。
地雷は撒いた側も把握しきれず今でも無関係の人が踏んで死んでいる」
「技術の発展で人は死ににくくなった。でも殺すための技術だって向上した」
「やがては仕事の内容すらも変わっていった。
複雑化し過ぎた社会では、己の仕事がどう作用するかもわからなくなった。
挙げ句の果てに、仕事や人生に意味を見いだせず自殺するものも居た」
「他者との繋がりは希薄になっていった」
「なのに他者を貶める方法は洗練されていった」
「便利な道具は、正しい方向にも間違った方向にも効果を発揮した」
「あの世界は便利だった。でも冷たかった」
「この世界は不便だ。でも暖かい」
「リーアが居てフェイベルが居て、めぐみんが居てゆんゆんが居てこめっこが居る」
「だから、俺はこの世界が好きだ」
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