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デート・ア・ライブ~Hakenkreuz~
第二十話「囁き」
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合えず彼女は誤魔化してみるが折紙はばっさりと一考もせずに切り捨てる。この事から彼女は完全に自分の正体を知ったうえで接触していると考える。そして目の前の折紙にばれないように周囲の気配を探る。

「(…周囲に仲間と思われる人物はいない。となると偶然会っただけか)…精霊ってなんのことか分からないけどいい加減どいてもらえますか?」

「嘘をつかないで。貴方は約一週間前来禅高校の屋上で暴れた。それにその二日前にはナイトメアを殺した現場を遠くから見ていた」

彼女は再び知らないふりをする。しかし、そんな事ないとばかりに彼女に関する情報を喋る。その様子は何処かストーカーの如き様相を見せていたが彼女はよく見ているな、と内心感心していた。

「やっぱり何の事か分かりませんね。これ以上は警察を呼びますよ?」

「…」

流石に商店街の裏路地とは言え暴れる訳に行かないようで折紙は彼女の強気な行動に悔しそうな顔をしながら手を壁から離し彼女を開放する。彼女は折紙を一瞥だけすると表通りへと歩いていく。折紙は後ろをついてくる様子はなくただ彼女の背を見るのみだった。







「(間違いない。彼女は【SS】…!)」

折紙は自身に背を向けて歩いていく女性、【SS】を睨みつける。今回は偶然出会ったためCR-ユニットは持っておらず本部に連絡する前に行動していた。その為彼女を追い込むには圧倒的に決め手に欠け彼女に自分が疑われている、と言う情報を与える結果に終わってしまった。

「(…次こそは必ず…!)」

折紙は精霊への憎しみを募らせながら心の中で決意を新たにしていた。

「…その願い、叶えてあげましょうか?」

瞬間、折紙は前方に大きく飛ぶように前に出た。咄嗟の事であり狭い路地裏で大きく動いたため折紙は裏路地の壁に体を大きくぶつけてしまう。

「おやおや、大丈夫ですか?ここは狭いですしあまり激しい行動はお勧めしませんよ?」

折紙の目の前にはスーツを着込みネクタイをきっちりと閉めたサラリーマン風の男が立っていた。男の物腰は柔らかであるが折紙はその年に似合わない戦闘経験から目の前の男がただ者ではないと感じていた。故に折紙は何時でも行動できるように背を丸め、

「精霊を簡単に殺せる方法、私知っていますよ」

男から発せられた言葉に体は硬直した。精霊を殺す。CR-ユニットと言った奇跡の力をもってしても殺すどころか傷すらつけられない精霊。その精霊を簡単に殺せると言う言葉は折紙にとって天からのメッセージの如きであった。

「無論、説明はしますし命に危険はありません。ただ、それは特殊な方法と言うだけですので」

男は折紙に近づき彼女の耳のそばに顔を持っちくと口角を上げ囁いた。

「どうです?話だけでも聞きませんか?
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