第五十四話 最後の学期になってその六
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「大学でも頑張ってね」
「ええ、今の学期もね」
「そうしてね。そしてね」
「そして?」
「ちっち大学卒業したら実家戻るの?」
「それはまだわからないわ」
正直卒業してからのことはわかりません、そもそも卒業出来るかどうかもわからないです。大学生活は四年あってその間に何があるか。
「どうなるかしらね」
「わからないのね」
「ちょっとね」
「それが普通よね、けれどね」
「けれど?」
「ちっちは絶対に結婚しないと駄目でしょ」
「うち三人姉妹だから」
このことを忘れたことはありません、二人の妹達のこともです。
「だからね」
「ちっちが結婚してね」
「それでお婿さんにね」
まさにその人にです。
「会長さんになってもらわないといけないから」
「じゃあ早いうちにいい人見付けないとね」
「誰かいてくれたらいいけれど」
「そういう相手はお引き寄せだけれど」
それでもです。
「ちっち自身も頑張ってね」
「それでなの」
「見付けないと駄目でしょ」
「よく言われるけれど」
それこそ皆からです。
「けれどね」
「ちっちとしてはなのね」
「そうそう見付からないんじゃないの?」
「ところがちっちがそう思ってるだけってあるじゃない。もういるかもね」
ここでまたにこにこと、変に笑って私に言ってきました。
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