第二幕その九
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「歩くだけだよ」
「走ってもね」
「駝鳥さん達に素早くないよ」
「オオウミガラスやペンギンみたいに素早く泳げないし」
このことも言うのでした。
「そうよね」
「うん、本当に歩くだけだよ」
「だからよね」
恵梨香はドードー鳥のそのお話を聞いて悲しいお顔になって言いました。ナターシャ達四人もそうしたお顔になっています。
「外の世界ではいなくなったのね」
「外の世界では僕達はもういないことは知ってるよ」
ドードー鳥はこう恵梨香達緒に答えました。
「そのことはね」
「貴方自身もなの」
「うん、確かに僕達はヨチヨチ歩くしか出来ないから」
だからだというのです。
「それでね」
「すぐに捕まったりして」
「外の世界じゃね」
「いなくなったのね」
「うん、けれどオズの国ではね」
「今こうしてよね」
「ちゃんといるよ」
右の羽根を動かしてお話します。
「この通りね」
「それは何よりよ」
「そう言ってくれるんだね」
「だって外の世界でいなくなっても」
それでもというのです。
「オズの国にいてくれたら」
「それでなんだ」
「嬉しいから」
これが恵梨香の返事でした。
「だからねこれからもね」
「僕達にだね」
「会いたいわ」
心から思っていることを言うのでした。
「本当にね」
「そこまで思ってくれるんだ」
「だから。外の世界ではもういないのよ」
またこのことを言うのでした。
「貴方達は」
「その君達がオズの国ではいる」
船長も言うのでした。
「これがどれだけ不思議なことか」
「オズの国は不思議なことばかりだけれど」
それでもと言うトロットでした。
「このこともよ」
「不思議なんだね」
「そうよ」
こうドード―鳥に言います。
「本当にね、それとね」
「それと?」
「貴方達って私達は沢山の卵を生めないから」
「毎日ぽんぽんと」
「それは本当に凄いことよ」
「そうだったのね」
「鶏や家鴨はそうでも」
毎日卵をどんどん生めてないというのです。
「そこは家畜化されていないせいかしらね」
「そういうことね」
「だからね」
さらに言うドードー鳥でした。
「このことは羨ましいのよ」
「ううん、そのことがわかったかしら」
ビリーナは考える顔になって述べました。
「鶏では普通のことがね」
「私達にとっては凄かったりするのよ」
「毎日卵を生むことも」
「そのこともね」
「そういえばね」
ここで恵梨香が言ってきました。
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