第六章
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「例え亡霊でも」
「進ませますか」
「そしてその進む場所は」
元春はさらに言った。
「すぐにわかるから」
「そうですか」
「今すぐに」
見れば亡霊達は。
ある場所に一斉に進軍しつつ向かっていた、そこはというと。
「あの領主の墓ですか」
「そして墓には」
「領主の亡霊がいます」
「その領主の亡霊を」
今よりというのだ。
「苦しめられた者達が滅ぼす」
「そうすれば確かに」
「亡霊達の怨みが晴れる」
「そうして成仏出来る」
「確かに」
司教は元春の言葉に頷いた、そしてだった。
霊達は徐々に領主の墓に殺到しそこに眠っていた領主の霊を引きずり出してよってたかって引き裂いてしまった、
領主の霊は彼が虐げていた者達の霊魂によって千にも二千にも引き裂かれその場に出て来た地獄の使者に苦悶の声と共に地獄の奥底へと連れて行かれていった、その一部始終を見届けると件の兵士達の亡霊も王妃や家臣達、民達の霊もだった。
穏やかな顔になり微笑んで昇天していった、ここでリディアは歌を終えて。
微笑んで自分のところに来たリディアに話した。
「終わったな」
「ええ、領主の霊は引き裂かれて」
「そうしてやな」
「地獄に送られて」
そのうえでとだ、元春はリディアに答えた。
「そうしてね」
「兵隊さん達も他の人達もやな」
「成仏してね」
そうしてというのだ。
「この世を去ったわ」
「それは何よりやな」
「自分の狙い通りになったな」
「ほんまにな、これでな」
「依頼は成功やな」
「しかも」
リディアは微笑みつつさらに話した。
「他の人等も成仏させられたし」
「もっとええな」
「何よりや」
「こうした除霊の仕方もありますか」
全てを見た司教もしみじみとした口調で述べた。
「いや、私もいい勉強になりました」
「それは何よりで」
「はい、それでは明日です」
司教はリディアだけでなく元春にも答えた。
「報酬とお礼の言葉を」
「ほな」
次の日実際にだった。
リディアと元春は司教から報酬とお礼の言葉を受け取りギルドにも依頼を成功させたことを報告した。こうしてだった。
ことの全てを終えたリディアは元春と共に街を後にすることにした、そして鉄道に乗って街を出る時に。
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