第七十一部第五章 組み入れその三十五
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「あの国は」
「あの国らしいが」
「それでもですね」
「好きになれないな」
「全くです、技術を盗まれる方は」
「どうしてもな」
キロモトは不快な顔で八条に述べた。
「そうならない筈がない」
「私もそう思います、ですが」
「エウロパへの技術の流出はか」
「そうした手段で行っていますので」
「止められないな」
「どうしても、止めようと思えば」
そうしようと思えばというのだ。
「やはりです」
「マウリアへの技術供与自体をだな」
「止めるべきですか」
「止めようとするとな」
「彼等はエウロパに渡すことを止め」
そうしてというのだ。
「何食わぬ顔で、です」
「それは止めてくれと言うな」
「ロビー活動も行い」
「そうしてほとぼりが冷めるまではな」
「大人しくします」
つまりエウロパに技術を渡すことを止めるというにだ。
「そうします」
「それの繰り返しではあるが」
「実際エウロパという敵はです」
「連合にも必要だな」
「はい」
まさにというのだ。
「政治的に」
「この雑多な国をまとめる為にはな」
「敵も必要です」
彼等、連合全体にとって共通の敵だ。それこそまさにエウロパなのだ。
「それもある程度の力を持った」
「それがまさにエウロパだ」
「敵の存在は国家を一つにします」
「昔からな」
「ですから必要ではあります」
エウロパの存在もだ。
「我々にとっては」
「それも真理だな」
「政治的な」
「だから無闇にだな」
「止めることも愚です」
「あくまである程度にしても」
「そうあるべきではあります」
こうキロモトに述べた。
「やはり」
「それはその通りだな、では」
「この度もです」
「マウリアに任せておくか」
「そうしますか」
「そしてひいてはだな」
「エウロパに発展してもらうことも」
感情的には忌々しいことであってもだ、彼等が先程話した通りにだ。この感情は連合に強い考えである。
「やはり必要であることはです」
「事実だな」
「そうなります」
まさにというのだ。
「それもまたです」
「政治的にな」
「必要です、ですから」
「ここは許しておくか」
マウリアのそれをだ。
「そして我々は今以上にか」
「発展すべきです」
「相手が発展すれば我々もな」
「発展すればいいのです」
「人口と総生産を増やし」
まさにこれまで通りにだ。
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