17 再びの暗躍
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を大事にしているという佐々木のじいさんもいた。
「ああ、佐々木のじいさん、どうしたの!?」
「おや、まるちゃん達。実はですね、ここでバラバラになった人の遺体がありましてね、今警察が取り調べをやっているんですよ」
「ええ!?」
杉山達も現場を見た。遺体は片付けられて確認する事はできなかったが、周囲に血痕が撥ねたように残っていた。
「バラバラになった遺体・・・。お、恐ろしいブー・・・!!」
「杉山、これ、もしかして・・・」
「ああ、可能性は高いな」
急いで皆は警戒しながら家に帰った。
かよ子は宿題を終わらせるとおやつを食べ、そして部屋で漫画を読んでいた。その時、母が入って来た。
「かよ子、杉山君から電話よ」
「ええ!?」
かよ子は驚き、電話に出た。
「も、もしもし・・・」
「山田あ!お前、無事だったか!」
「え!?何かあったの!?」
「ああ、町で殺人事件があったんだ。それも人の体がバラバラになっちまっていたんだ!これはただの殺人事件じゃねえ、きっと異世界からの人間の仕業に違いないと思うんだ!」
「え、ええ!?」
「もしかしたらアレクサンドルとアンナって奴等みたいにお前を狙っている奴かもしれない!気を付けろよ」
「う、うん!!」
「じゃあな」
かよ子はその話を聞いて恐ろしくなった。外を出歩く時は非常に警戒しなければならないと己を気を付けた。何しろ自分はおっちょこちょいなのだから。
翌日、かよ子の父が新聞を読むと、恐怖に駆られた。
「昨日、清水に殺人事件があったみたいだね」
「ええ!?新聞見せて!!」
かよ子は父に新聞を見せて貰った。新聞の記事の見出しには『静岡県清水市内の住宅地で殺人事件発生』とあった。
(清水市内で・・・!!)
かよ子は新聞の記事の詳細を読んだ。以下のように書かれていた。
【6月3日未明、静岡県清水市内の住宅地にて男性3名と思われる遺体が粉々になっているのが発見された。犯人は現在の所分かっておらず、警察は捜査を続けている。】
(これ、杉山君が電話で言ってた事件・・・!?)
かよ子は恐ろしく感じた。また別の異世界からの人間がこの清水市に訪れており、そして狙うのは自分かもしれないと・・・。
「もしかして・・・」
「ああ、前にきたあの兄妹みたいに別世界の人間の仕業かもしれないね」
「うん・・・。お父さん、私外歩く時、気を付けるよ・・・」
そして登校する時間になった。
「かよ子」
母が娘を呼ぶ。
「お母さん・・・?」
「たとえどんな敵が来たとしても、恐れちゃ駄目よ。その杖があるんだからね」
「うん・・・。私、絶対に負けないよ!行ってきます!」
かよ子は家を出て行った。これからどんな敵が来ようと負けないと決心しながら。
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