第二幕その三
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そのうえで実際にテーブル掛けからワインのボトルを何本も出しました、そうしてこう言ったのでした。
「大人の人達皆の分を出したわ」
「おお、多いね」
「ええ、好きなだけ飲んでね」
「ふむ、お酒か」
王様もそのワインを見て言います。
「まあわしは飲まぬが」
「そういえばそうですね」
王子は王様に応えました。
「飲むことは飲んでも」
「あまり飲まぬな」
「どちらかというとジュースですね」
「お酒を飲むよりじゃ」
ジュースだというのです。
「それをふんだんに飲むことがじゃ」
「王様の楽しみですね」
「そうじゃ」
「王様はそちら派ですね」
「お酒を飲むならジュースじゃ」
また言う王様でした。
「わしはな」
「それじゃあこのワインは」
「船長さん達がわしの分まで飲めばいい」
こうトロットにも答えます。
「そうすればいい」
「そうなのね」
「こうして紅茶もある」
今度はミルクティーを飲んでいます、そのうえで。
傍にあったクッキーを手に取って摘まんで食べてまた言うのでした。
「これで充分じゃ」
「じゃあ貰うよ」
モジャボロが王様に言いました。
「早速ね」
「うむ、わしの分は皆で飲んでくれ」
「一人辺りボトル二本あるけれど」
「全部飲んでくれ」
遠慮なく言う王様でした。
「自分が飲まぬのにあれこれ言わぬわ」
「だからだね」
「ふんだんに飲むのじゃ」
「それじゃあね」
お言葉に甘えて、でした。
船長達はワインを飲みながらお菓子も食べます、王子もそうしていてアイスクリームを食べてから赤ワインをグラスに入れて飲みながら言うのでした。
「うん、ワインとお菓子は本当に合うよ」
「あの、お酒を飲む人は」
恵梨香が言ってきました。
「甘いものは苦手だって」
「いうんだね」
「日本ではそうですが」
「いやいや、それがだよ」
「オズの国では違うんですか」
「オズの国だけではないよ」
船長も恵梨香にお話します。
「アメリカとかね」
「他の国ではですか」
「ワインやラム酒はケーキやシュークリームにも合うから」
だからだというのです。
「一緒に楽しめるんだよ」
「そうですか」
「わしも日本酒は飲むよ」
「日本酒はお菓子には合わないんですね」
「そうじゃ」
その通りだというのです。
「わしは実際に飲んでわかった」
「日本酒はお菓子には合わないですか」
「あとビールもだよ、ただ中国の杏酒は中国のお菓子に合う」
「そうなんですね」
「しかし日本酒や焼酎は」
こうした日本のお酒はというのです。
「魚介類やお豆腐や鍋ものには合っても」
「それでもですね」
「どうしても日本のお菓子には合わん」
そうだというのです。
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