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ある晴れた日に
682部分:日の光は薄らぎその十二

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日の光は薄らぎその十二

「勝てるからな」
「それは凄いよな」
「人材育成が上手いのかな」
 加山がここで言った。
「やっぱり」
「そうなんじゃないの?」
 茜が今の加山の言葉に応える。
「やっぱりね」
「人材育成なあ」
「うちは上手い方よね」
「だよな」
 奈々瀬と春華は顔を見合わせて言い合う。
「ヤクルトはね」
「最近順位は思うようにならないけれどな」
「ヤクルトは上手いよ」
「絶対にな」
 そうだという野茂と佐々だった。
「ドラフトの運もいいしな」
「外れって思っても正解だしな」
「阪神もな」
「ピッチャーには困らないけれどな」
 坂上と坪本はそちらはいいと言う。
「バッターはなあ」
「何か育ちにくいんだよな」
「甲子園だからね」
「それはね」
 静華と凛は本拠地から話す。言うまでもなく阪神タイガースの本拠地は甲子園球場である。阪神の代名詞ともなっている球場である。
「広いしね」
「どうしてもピッチャーが大事になるのよね」
 そういうことである。阪神の特徴である。
 そうしてであった。皆ここでさらに話すのであった。
「バッター本当に育ちにくいよな」
「守備も今一つだったりするしな」
「そうだよな」
 男組は困った顔で話をしていく。
「幾らピッチャーが抑えてもな」
「バッターが打ってくれないとな」
「どうにもならないからな」
 この二つをどう組み合わせるかが重要なのである。そしてその両者をバランスよく高めてこその野球なのである。どちらがなくても敗れるのが野球である。
「バースいた時は守備もよかっただろ」
「ああ、内野も外野もな」
「ピッチャーは駄目でもな」
 近年の野球ではそちらも重要視される。
「守備はよかったらな」
「どうしてもな」
「なるよな」
 そしてまたピッチャーについて話すのだった。
「ピッチャーがよくてもな」
「どうしようもないからな」
「守備もよくないとな」
 こう話してである。そしてだ。
「ただな」
「どうなんだ?」
「金本だけだぞ」
「新井もよくないしね」
「調子が悪いし」 
 実質彼だけだというのだ。
「兄貴だけよくてもな」
「どうにもならないから」
「困ったことだよ」
 そうしてである。さらに話す彼等だった。
「巨人に馬鹿みたいに負けてな」
「みっともないったらありゃしないな」
「全くだぜ」
 こう話してである。阪神のこれからについて思いを馳せる。しかしその思いは。
「一体今度は何時優勝できるんだ?」
「黄金時代到来って思ったのにな」
「十三ゲーム差がなあ」
「あれはないだろ」
 その時のことを思い出してまた言い合う。

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