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星河の覇皇
第七十一部第五章 組み入れその三十二

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「私にしましても」
「情報もか」
「集まっていません」
「外務省もそうだろうか」
「おそらく今です」
「調査中だな」
「我々と同じく」
 国防省と、というのだ。
「そうかと」
「それが実情か」
「そうだと思います」
「成程な」
「そうです、ですが」
「それでもか」
「相当な人物であることはです」
 このことはというのだ。
「間違いない様です」
「実力は確かか」
「何しろです」
 八条はキロモトに対してさらに話した。
「アウトカースト層の生活ですが」
「カーストの外におらずな」
「マウリアの社会サービスの一切を受けられないですが」
「それでもか」
「どうも彼等の生活は向上しています」
 サービスを一切受けられない様な状況でもというのだ、これだけでもハンデは相当なものであるがそれでもだ。
「それを見ますと」
「それだけでか」
「はい」
「まさにか」
「資質が伺えます」
「彼等には彼等の政府があるな」
 これもマウリアの特徴だ、アウトカースト層だけの政府が存在し彼等の中で戸籍もあり産業も存在しえいるのだ。
「そうだったな」
「そうなっています」
「その政府をか」
「かなり的確に運営していたらしく」
「生活もか」
「福祉も充実していて」
「サービスもか」
 そちらもとだ、キロモトは問うた。
「充実しているか」
「その様です」
「そうなのか」
「はい、ですから」
 それでというのだ。
「そのことを見ますと」
「その人物は相当な者か」
「若しかするとです」 
 八条はキロモトにこうも言った。
「その人物は英傑かも知れません」
「マウリアのか」
「はい、あの国にとっての」
「カーストに存在しなくともだな」
「マウリアはヒンズー教の国です」
 他にも多くの宗教が存在しているが主流はそうだ。
「法律的には廃止されていますが」
「何しろだ」
「はい、彼等を除外しています」
「法律的にもな」
「何かとです」
 彼等と明記していないが明らかに彼等のみの条件の者を指定してそのうえで除外しているのである。法律では。
「そうしていますので」
「だからだな」
「はい、カースト制はです」
「存在しているな」
「宗教的には間違いなく」
「そして生きているな」
「はい」
 八条は答えた。
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