第五章
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「最高の食材を最高の技術で作ってるよな」
「あんたプロの料理人だろ」
「それも凄腕の中の凄腕の」
「あっし等はあくまで農家だからな」
「最高の苺と食材は用意出来てもな」
「料理の腕となるとな」
「そっちの自信はあってもな」
それでもというのだ。
「料理人じゃないからな」
「職業は農民だからな」
「そこは負けたな」
「あんたの勝ちだよ」
「料理勝負自体はな」
「それはな」
「わし等の負けだよ」
こう言う、だが。
セーラは引き分けとなってまた勝負をしようということで話を終えた継母と継子を見てドワーフ達に尋ねた。
「あれがいつもですね」
「そうそう、いつもだよ」
「そうなんだよ」
ドワーフ達はセーラにその通りだと答えた。
「これがな」
「あれもお二人の付き合いなんだよ」
「普段本当に仲いいけれどな」
「ベタベタしてる位にな」
「けれどああして時々」
「ああして料理の好みで勝負して」
「毎回こうなるんだよ」
勝負の結果なぞどうでもよくなってまた勝負ということで終わるというのだ。
「そんな風なんだよ」
「まあ何ていうかな」
「これで誰が迷惑する訳でもないし」
「お二人共誰かに迷惑かける人じゃないし」
「お嬢はあれで学校じゃ品行方正生成期優秀だし」
「奥方様も立派な奥様で知られてるし」
「屋敷の中でもそうだしな」
二人の人柄の話もした。
「まあこれ位はな」
「いいってことだな」
「そうですね、今は普通ですし」
セーラは今の母娘を見た、見ればもう女同士でいちゃいちゃしている感じになっている。本当に同性愛と言われても頷ける位の距離だ。
「そうしたお二人ですね」
「そういうことでな」
「今回はお疲れ様だったな」
ドワーフ達も言ってだった、この勝負は最初と途中はともかく最後は和やかに終わった。
二人は夫人からかなりの報酬と感謝の言葉を受けて少女そしてドワーフ達に笑顔で見送られて屋敷を後にした、その後でギルドにも依頼の終了を報告した。
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