第五章
[8]前話
「お礼はお酒で充分やで」
「そこでそう言うのね」
「というか大会終わったし私の賞金でな」
大会で優勝したそれでというのだ。
「参加者全員で飲もうか」
「気風がいいわね」
「それもええ遊び人やで」
その条件の一つだというのだ。
「それで足りんかったら私の財布から出すし」
「そのお金もあるから」
「そうしよな、参加者全員で終わったことのお祝いや」
こう言って街の居酒屋を借り切ってだった、ダイアナはかなり散財してパーティーを開いた、その次の日またしても二日酔いになって朝からセーラと共にこの時も風呂の世話になった。
その後で街を出て次の場所に行くことにしたが。
街を出たところでダイアナの手にあるものが宿った、それは何かというと。
「ボアンのネックレスや」
「ケルトの川の女神様ね」
「その神様の加護で」
それでというのだ、ダイアナは自分の心の中に語り掛けてくる言葉をそのまま自分の隣にいるセーラに話した。
「知力上げてくれて様々なご加護も」
「与えてくれるのね」
「ええ神具や、それに」
そのネックレスを身に着けつつだった、ダイアナはそうしつつさらに話した。
「神託を適えて私自身も」
「どうなったの?」
「全体的に一回り強うなったわ」
このことも心の中に語り掛けてくる言葉が教えてくれた、無論彼女自身実感があってそれで話すことが出来た。
「そうもなったわ」
「余計にいいことね」
「ほんまに、それで」
ダイアナはさらに話した。
「私達はこれで終わりやないから」
「その通りね」
「この世界を救うことが目的やから」
それでというのだ。
「楽しく明るく名」
「そうしてなのね」
「私は遊び人やからそう言うけど」
「それでもよね」
「この世界を救うことは」
このこと自体はというのだ、ダイアナは笑顔で目も明るいがそれでも真剣なものはしっかりと備わっていた。
「頑張って」
「そうしてね」
「やっていこうな」
こう言ってだった、ダイアナは明るく一歩を踏み出した。そうしてそのうえで先に進んでいくのだった。この世界を救う為に。
大障害物レース 完
2019・8・24
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