三章 天への挑戦 - 嵐の都ダラム -
第37話 愚かな実験
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段取りは整っているはずだ。
そうなれば、やはりシドウとティアの身は自由であるほうがいい。シドウは変身すればすぐに紐を千切れるにしても、ティアはそうはいかない。もし突然戦いが起きるようなら、彼女の両手が自由なほうが有利だ。
しかし、お願いはあえなく却下された。
「外すわけないだろ? 王都に帰るまでそのままだよ」
紐を握っている男からの、嘲笑付きのそのセリフ。
それだけなら、シドウは諦めて引き下がったかもしれない。
ところが――。
「嵐が過ぎるまで塔の中だろうからな。姉ちゃんのほうはちょっと借りようかな」
そのような言葉が飛んできて、下卑た笑いが軍団全員に伝染していくと、シドウの足はピタっと止まった。
紐を握っていた男が「おっ」っとのけぞり、「おい急に止まるな!」と怒鳴った。
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