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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第百二十三話 人事刷新です。
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いでおこうと思っていた言葉が、気がついたら出てしまっていた。

『・・・・・・・』
「私の手を引いて、連れ戻してくれたなら・・・・まだ私は引き返すことができました。教官の下で、あるいはラインハルト、キルヒアイス、ロイエンタール、ミッターマイヤー提督の下で私は戦うことができたんです」
『・・・・・・・』
「私のそばにはティアナがいてくれました。けれど、それでも、ダメだったんです。ティアナはずっと私のそばで私と共に歩んできました。けれど、私が止まればティアナもまた止まってしまう・・・・。大切なのは私自身の心構えなのですから」
『・・・・・・・』
「私一人に過重な思いをさせたこと・・・・私、それ自体を気にしているのではありません。ショックだったのは、教官、あなたが私の目の前で頭を下げたことです。教官は謝罪すればよいかもしれません。けれど、謝られた私の気持ち、お考えになったことはありますか?謝られた瞬間、私がこれまで歩んできた道は、姿を消したんです・・・・。謝罪は、私を宇宙艦隊司令長官に任命し、送り出したことだけでなく、これまでの私の職責を否定することなんです。リッテンハイム侯爵との決戦の左翼艦隊遠征軍司令官、そしてブラウンシュヴァイク公爵討伐遠征軍司令官・・・・」
『・・・・・・・』
「ここまでは私の素直な気持ちです。そしてここからは宇宙艦隊司令長官として、ローエングラム陣営に立つ私としての気持ちです。私は、多くの人を死なせてしまいました。たとえ私がどんな思いであったとしても、任務を全うすべきでした。きちんと教官やラインハルト・フォン・ローエングラム公とお話しすべきだったと思います。重圧に屈してしまったのは、ほかならない私自身の責任です」

 フィオーナはと息を吐いた。

「なのに・・・・そう整理してここに立って、どんな罰でも受ける覚悟で気持ちを整理して・・・・なのに、教官、あなたに謝られてしまったならば、私は・・・・どうすればいいのですか?」
『・・・・・・・』
「教官、私の宇宙艦隊司令長官の職を解いてください。一人後方に引き下がるつもりはありません。私は精一杯できることをします。一艦隊司令官として、私はローエングラム陣営を支えます」

 フィオーナは口を閉じた。

* * * * *

 目の前の教え子が話し続けている間、イルーナはじっと目をそらすことなく彼女を見つめ続けていた。

「それが、あなたの、そして宇宙艦隊司令長官であり、ローエングラム陣営に所属するあなたの本心なのね?」
『はい』
「あなたは二つ誤解をしているわ」
『えっ?』
「私は、私の教え子であるあなたに頭を下げたのであって、宇宙艦隊司令長官であり、ローエングラム陣営に所属するあなたに頭を下げたのではないわ。・・・・いえ、結局それも一緒なのか
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