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第百二十三話 人事刷新です。
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においてヤン艦隊に致命傷を与えたものの、自軍は少なくない被害を受け、3万余隻を失ったこと、100万人以上の将兵を犠牲にしたこと、そこから始まり、戦闘の詳しい勝報を最後まで途切れることなく語った。
「・・・・・・・・」
イルーナ・フォン・ヴァンクラフトは3分間の間黙って瞑目していた。その間教え子はどんな思いで自分の次の言葉を待っているか、どんなに早く言葉を掛けてあげたいか、その思いを押し殺し、かけるべき言葉を彼女の頭脳は旋回しながら探し続けていた。
「フィオーナ」
眼を見開いたイルーナはうなだれている教え子に声をかけた。
「あなたを宇宙艦隊司令長官から解任するよう、ローエングラム公に進言します」
『・・・・・・・・』
「3万余隻の損害と100万以上の将兵の損失は、ゴールデンバウム王朝ならば敗戦の責をとられ、即刻処刑されてもやむを得ないほどの咎よ」
『・・・・・・・・』
「けれど、ローエングラム公は違う。あの方は機会を与え、なお一層発奮させ、罪を雪ぐことこそを意義あるものとお考えになっておられるわ」
『・・・・・・・・』
「そして、私一人ではあなたをどうこうすることはできない。この意味は他ならぬあなた自身がよくわかっていることでしょう?私はあなたを諸提督、そしてローエングラム公に委ねるつもりよ」
『はい・・・・・・』
「・・・・・・・・」
イルーナは一つ息を吸って、穏やかな声を発した。
「もう、あなたを一人にはしないわ」
ローエングラム陣営参謀総長ではなく、この子の教官として、見守ってきた人間としてだ。
「こんな言葉で片が付くかどうかわからない。けれど・・・・・私は今言いたい」
イルーナは顔を上げた教え子の眼を見て、頭を下げた。
「つらい思いをさせて本当に、ごめんなさい」
* * * * *
教官が目の前で頭を下げている。
そのことに気が付いたのは自分が顔を上げてからだった。
『つらい思いをさせて本当にごめんなさい』
そんな言葉(謝罪)、聞きたくなかった。
自分
(
フィオーナ
)
が知っていたのは、いつも緩急自在な指揮を執り、春の温かさと秋霜烈日さを併せ持ち、自分たちを見守ってきた教官である。その判断は、たとえ自分が疑問を持つことがあろうとも、最終的には正しいとおもっていた。だからこそ自分は折れそうになる心を抑えてここまで戦ってきた。だから――。
目の前で頭を下げている教官など、認められない。認めたくはない。認めてしまえば、自分の歩んできた道が崩れ去ることとと同じなのだから。
仮にそうだとしても――。
気づいていたのならば、手遅れにならないうちに――。
「どうして、私を連れ戻してくれなかったのですか――」
言わな
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