暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第7章:神界大戦
第217話「薄氷の希望」
[9/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話

 一撃に賭けたのならば、この一撃は躱せないだろう。
 そう確信し、“終わりだ”と真強は優輝に拳を叩きつけようとする。
 だが、その言葉は途中で途切れる事となった。

「ぉおおおおおおおおっ!!!」

   ―――導王流壱ノ型奥義“刹那”

 奥義の二段構え。それが放たれたからだ。
 躱しきれずに片腕を消し飛ばされながらも、カウンターを放った。
 その一撃の威力すら利用し、優輝の回し蹴りが真強の横面に炸裂する。
 魔力だけでなく霊力も纏ったその脚の一撃は、真強をよろめかせた。

「ぬぐっ、ぉお……!?」

「ゥ、ぅう……!!」

 声にならない唸り声が優輝から漏れる。
 優輝はこれを狙っていたのだ。
 一瞬の好機を狙って賭けの一撃を放てば、それを叩き潰す攻撃が飛んでくる。
 それを、さらに奥義でカウンターしようと、優輝は試みたのだ。

「ぉ、ぁあああああっ!!」

 試みは成功した。だが、そこで終わらせてはいけない。
 強烈な一撃が決まったのだ。そのまま押し切る必要がある。
 故に、優輝はさらに攻撃を繰り出す。

「(反撃する暇を与えるな!立ち直る暇も与えるな!息さえさせるな!)」

 打つ、打つ、打つ。
 極限を超えて強化された拳が、何度も真強を打ちのめす。
 武器を創り攻撃するよりも、攻撃を連打する。
 右に、左に、全力で打ち抜き、膝で顎をかち上げる。
 即座にダブルスレッジハンマーを振り降し、視界を揺さぶる。

「はぁあああああああああああ!!!」

 無論、優輝だけでなくとこよやサーラ、紫陽、ユーリ、なのは、フェイトも邪魔にならないように何度も攻撃を放っている。
 一瞬の好機を逃さずに、今ここで真強を倒さんと、力を振るう。

「これで!」

   ―――“Neun S?belhieb(ノイン・ゼーデルヒープ)

 掌底を放ちつつ、優輝が一歩踏み込む。
 少しばかり間合いが離れ、そこへサーラが九連撃を叩き込む。
 縫い付けられるように、真強は声も出せずによろめく。

「終わり!」

   ―――“森羅断空斬”

 震脚で足元を揺らし、すかさずとこよが真強を斬りつける。
 あらゆるものを一刀にて斬るために生まれたその一撃が、ついに真強に膝を付かせ、その場に留めた。

「だぁああああああっ!!!」

   ―――導王流弐ノ型奥義“終極”

 そして最後に。
 優輝の一撃が真強の胸を捉える。
 先程までの攻撃全てに“倒す意志”が込められ、とこよとサーラはさらに一際強い“意志”の下、攻撃を繰り出していた。
 トドメに、優輝の一撃だ。
 最後の一撃を以て、真強の胸に大きな穴が穿たれた。

「っ、ごふ……!見、事……!!」


[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ