第7章:神界大戦
第217話「薄氷の希望」
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一撃に賭けたのならば、この一撃は躱せないだろう。
そう確信し、“終わりだ”と真強は優輝に拳を叩きつけようとする。
だが、その言葉は途中で途切れる事となった。
「ぉおおおおおおおおっ!!!」
―――導王流壱ノ型奥義“刹那”
奥義の二段構え。それが放たれたからだ。
躱しきれずに片腕を消し飛ばされながらも、カウンターを放った。
その一撃の威力すら利用し、優輝の回し蹴りが真強の横面に炸裂する。
魔力だけでなく霊力も纏ったその脚の一撃は、真強をよろめかせた。
「ぬぐっ、ぉお……!?」
「ゥ、ぅう……!!」
声にならない唸り声が優輝から漏れる。
優輝はこれを狙っていたのだ。
一瞬の好機を狙って賭けの一撃を放てば、それを叩き潰す攻撃が飛んでくる。
それを、さらに奥義でカウンターしようと、優輝は試みたのだ。
「ぉ、ぁあああああっ!!」
試みは成功した。だが、そこで終わらせてはいけない。
強烈な一撃が決まったのだ。そのまま押し切る必要がある。
故に、優輝はさらに攻撃を繰り出す。
「(反撃する暇を与えるな!立ち直る暇も与えるな!息さえさせるな!)」
打つ、打つ、打つ。
極限を超えて強化された拳が、何度も真強を打ちのめす。
武器を創り攻撃するよりも、攻撃を連打する。
右に、左に、全力で打ち抜き、膝で顎をかち上げる。
即座にダブルスレッジハンマーを振り降し、視界を揺さぶる。
「はぁあああああああああああ!!!」
無論、優輝だけでなくとこよやサーラ、紫陽、ユーリ、なのは、フェイトも邪魔にならないように何度も攻撃を放っている。
一瞬の好機を逃さずに、今ここで真強を倒さんと、力を振るう。
「これで!」
―――“Neun S?belhieb”
掌底を放ちつつ、優輝が一歩踏み込む。
少しばかり間合いが離れ、そこへサーラが九連撃を叩き込む。
縫い付けられるように、真強は声も出せずによろめく。
「終わり!」
―――“森羅断空斬”
震脚で足元を揺らし、すかさずとこよが真強を斬りつける。
あらゆるものを一刀にて斬るために生まれたその一撃が、ついに真強に膝を付かせ、その場に留めた。
「だぁああああああっ!!!」
―――導王流弐ノ型奥義“終極”
そして最後に。
優輝の一撃が真強の胸を捉える。
先程までの攻撃全てに“倒す意志”が込められ、とこよとサーラはさらに一際強い“意志”の下、攻撃を繰り出していた。
トドメに、優輝の一撃だ。
最後の一撃を以て、真強の胸に大きな穴が穿たれた。
「っ、ごふ……!見、事……!!」
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