第7章:神界大戦
第217話「薄氷の希望」
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がその攻撃を受ける時、リヒトはグローブの形態だった。
剣では、折られた時の対処で隙を晒すと判断していたからだ。
実際、その攻撃を剣で受けていればあっさりと折られ、直撃していただろう。
「本来の限界を度外視した、反則的な身体強化。ここまでとはな」
「……っづ……!?」
全力だった。不意打ちに近いとはいえ、優輝は全力で受け止めたつもりだった。
否、本来であれば導王流で受け流すつもりだったのだ。
だが、それが出来なかった。
「(たった一撃。なんの変哲もないただの一撃で、ここまで……!?)」
感情がなくとも、それは驚愕に値した。
あまりに強大過ぎる一撃を受け流せず、そのまま受け止めた。
その重さに、優輝は前線にいたにも関わらずに一気に後退させられたのだ。
……それでも、受け止められただけ幸運というべき程だった。
「(こいつは、明らかに他の神とは違う……!)」
対する神は、老成した偉丈夫の大男と言った容姿をしていた。
一目で“強い”と分かるその男は、金棒のような鈍器を持っていた。
その武器で優輝を攻撃し、優輝はそれを何とか受け止めていたのだ。
「ぐ……ぉおっ!!」
滑らすように、受け止めた体勢から攻撃に転じる。
手刀に魔力と霊力を纏わせ、リーチを伸ばして一閃する。
「ふん」
「ッ―――!」
だが、それはあっさりと跳んで躱される。
それどころか、そのまま身を捻って攻撃に転じてきた。
蹴りが放たれ、優輝は辛うじて転移魔法を間に合わせる。
「っ、は、ぁっ!」
そこから、連続して転移を繰り返し、その神へと攻撃を繰り出す。
一回の転移では動きを見切られると判断した上での攻撃だが……
「甘いわ」
「ッ……!?」
それすら見切られた。
転移すら間に合わず、カウンターのように一撃を食らってしまう。
反射的に体が回避しようとしたためか、直撃は避けられた。
「っご……!?」
……尤も、それだけで陣形から孤立する程に吹き飛ばされたが。
「っづ……!」
即座に体勢を立て直し、敵である神を睨む。
……そして、膝を付いた。
「……!?」
“ありえない”と、優輝は思った。
まさか、たった二撃交えただけで膝を付く程になるとは思わなかったのだ。
「(……強い……!)」
確信した。
相手の神は、通常戦闘力において神界でも上位の存在だと。
限界を遥かに超えた身体能力を以ってしても軽く上回られた事から断定した。
「ほう……まだ立つか。差を知覚すれば、貴様程の強さの者は須らく倒れたがな」
「シンプルに強い……となれ
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