第百十七話 西の端へその十
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「そうしてな」
「おいら達はね」
「攻めていくな」
地中湖南岸東部をというのだ、それで久志はここでその南岸東部の状況を地図から見た、そこには既に幾つか自分達の勢力に降っている街や村があった。
その点々としている諸勢力を見てだ、久志は言った。
「こうした降った勢力を助けられる時も来たな」
「陸からもな」
芳直が久志の今の言葉に応えた。
「出来る様になったな」
「ああ、幸い古王国は攻めてこないでな」
むしろ守りに徹していたのは先程淳二と話した通りだ。
「降っていない勢力もな」
「攻めてこなかった」
「有り難いことにな、だから特にな」
「降った勢力は危なくなかったな」
「有り難いことにな」
「本当にな」
このことはよしとした、そしてだった。
英雄はあらためて地図に描かれている諸勢力の状況を観てまた言った、敵味方中立が書かれているだけでもそれでも今は充分だった。
「それじゃあまだ降っていない連中にな」
「使者を送るか」
「そうして降ればいいさ」
それでというのだ。
「これまで通りな」
「戦うよりもな」
「本当に降ってくれたら」
「それでよしだな」
「これまで通り文化や習慣は認めてな」
無論信仰もだ。
「税もな」
「これまで通りだよな」
「まあ四公六民っていうかな」
「それ位だな」
「そんな馬鹿みたいなな」
それこそというのだった。
「重税なんかしないからな」
「大事なのは本当に産業だな」
「それがよかったらな」
そちらから収益を得てというのだ。
「充分過ぎるからな」
「ではな」
「税金もそれでいくな」
「そうした条件を出してか」
「降らせるな」
こう言ってだ、そのうえでだった。
久志は実際に再び出陣の準備に入ると共に南岸東部の諸勢力に使者を送った、すると多くの勢力が次々に降った。
その状況を観てだ、久志はカルタゴを出たところで言った。
「よし、じゃあそうした諸都市はな」
「私達の政に組み込んでいってね」
「そしてな」
そのうえでとだ、久志は今自分に言った双葉に応えた。
「どんどん豊かにするな」
「そうしていくわね」
「そしてな」
「まずはね」
「古王との境まで行くな」
「そうするわね」
「そして古王国を」
当面の最大目標であるこの国をというのだ。
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