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麒麟捜索
第四章

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「一つ考えがあります」
「考え?」
「それは一体」
「ユニコーンは処女を好み」
 市長は二人を市庁舎の自分の部屋に呼んで話した。
「麒麟は聖者を求めます」
「そこ聖女でもええかな」
「はい、性別や種族は関係なく」
 どちらでもというのだ。
「聖者を求めます」
「ユニコーンの様に」
「徳のある人を」
「ほなやね」
 トウジは市長のその話を聞いて言った。
「ここは徳のある人に来てもらって」
「その人が来られれば」
 そこでというのだ。
「麒麟もです」
「来るんやね」
「麒麟が崑崙を出た理由も」
 市長はこのことも話した。
「おそらくですが」
「徳のある人を求めてやね」
「そうした人がこの辺りにいると聞いたのでしょう」
「それでやな」
「仙人や高僧の修行の地を離れてまで」
 徳がありさらに高めんとしている者達の場をだ、自分が愛する。
「来ているのでしょう」
「そうやねんな」
「はい、ですから」
 それでいうのだ。
「ここは」
「ネパールの徳の人に」
「来てもらいましょう、私に心当たりがあります」
 その徳のある人にというのだ。
「ですから早速」
「その人に」
「お願いしますが」
 ここで市長はにこりと笑った、そうしてトウジに話した。
「もうその人はすぐそこにおられます」
「すぐ?」
「はい、私の目の前に」
 そこにというのだ。
「おられます」
「ってことは」
「貴女です」
 トウジ自身に話した。
「そしてもっと言えばアーチャーリャ様もです」
「あたしもかいな」
「そうです」
 カウサリアにも言うのだった。
「そうなります」
「あたし等が聖人って」
 トウジはいぶかむ顔になって市長に返した。
「それは」
「違うとですか」
「思うで、あたし遊びが好きで食べることもお酒も」
「どれもですね」
「男の子にもめっちゃ興味あるし」
 ただし今まで交際した経験はない。
「そやからな」
「いえ、その行いです」
「あたしの?」
「はい、常にこの世界を救う為に働かれていますね」
「いや、星のモンやから」
 それでとだ、トウジは市長に即座に答えた。
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