673部分:日の光は薄らぎその三
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日の光は薄らぎその三
「何処もかしこも水色じゃない」
「西武ファンだからね。それはね」
「だったら。ロシアのお菓子はちょっと」
これが静華の主張であった。言いながら首も傾げさせるのであった。
「やっぱり合わないわよね」
「そうなの」
「そういうお菓子に合うのは赤?」
今度は凛が言ってきた。
「それだったら」
「赤なのね」
「ええと、そんな気がするのよ」
凛は恵美に対して結構困った様な顔をして話すのだった。
「何でかしら。それは」
「クレムリンとかじゃないかな」
桐生がそれが何故か自分でもよくわからない彼女に対して話した。
「あそこの赤の広場かな」
「ああ、あそこね」
凛は彼女に言われて納得した顔になった。
「モスクワの」
「そこのせいじゃない。赤のイメージは」
「そうかも。あそこ結構テレビに出るしね」
「じゃあ北朝鮮だったら?」
「金色かカーキ色?」
桐生に言われて何となくといった感じでその二つの色を出した凛だった。
「あの銅像と軍服しか見ないし」
「まだあるじゃない」
明日夢がその凛に横から言ってきた。
「ほら、あのいつもテレビに出て来る」
「あのおばさん?」
「名前知らないけれどね」
彼女はある女性を話に出してきたのである。
「あのチマチョゴリ着て叫んでるおばさん」
「あの人ニュースキャスターだよ」
加山が言ってきた。
「言っておくけれど」
「それは知ってるけれどね」
明日夢もそれは知っているのである。流石にこれは見ていればわかることだった。
「ただね」
「ただ?」
「何なのかしらね」
首を捻っての言葉を出す明日夢だった。
「あのおばさんか痩せてエラの張ったおじさんしかいなくない?あの国のキャスターって」
「ああ、だよなあ」
春華もその言葉に頷く。
「何かよ。いつもどっちかだよな」
「おばさんの出る割合多いよな」
「言ってる内容は同じだけれどな」
坪本と野茂も言う。
「見ていたらな」
「だよな」
「まあ北朝鮮にはお菓子ないけれど」
それはないという明日夢だった。これもよく知られていることだった。
「お金も食べ物もないしね」
「あるのは。軍隊だけか?」
「それと核兵器か」
坂上と佐々も容赦がない。
「そういうのしかないよな」
「あと銅像とかだよな」
彼等の中のあの国のイメージは決してよくない。もっとはっきりと言ってしまえば最悪である。北朝鮮を好きな人間もまずいはしないのである。
「そういう国だからね。お菓子はね」
「つまりあれってこと?」
奈々瀬が言ってきた。
「お菓子食べられるだけかなりましってことね」
「そういうおめーーは食い過ぎじゃねえのか?」
野本は彼女のその柔らかそうな頬を見
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