第五十四話 最後の学期になってその二
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「それどころか阿波野君の都合があるからね」
「それでなの?」
「あの子に寮まで一緒だったことが悪いっていうの?」
「そこでそんなこと言うの?」
「そうよ、阿波野君にも都合があるのよ」
夜の遅くに寮まで行ってもらってです。果たしてあの後お家に無事に帰られたのか少し心配になっています。
「だからね」
「いつもはいいの」
「そう、あくまで阿波野君の都合次第よ」
送ってもらったりすることはです。
「何か阿波野君は何時でもって言ってるけれど」
「あっ、よかったじゃない」
「よかったの」
「そう、一年生の子本気ね」
私にこんなことを言ってきました。
「よかったじゃない」
「よかったって何がよ」
全くわからないので聞き返しました。
「一体」
「そこでわかっていないのがちっちね」
「私が?」
「そう、ちっちよ」
こう言ってきました。
「ちっちらしいわ」
「私らしいって何がよ」
またわからないので聞き返しました。
「意味がわからないけれど」
「だからそこがちっちね」
同じことを言われました、同じことばかり言う人っていますけれどこの娘は違う筈なのに。
「本当にね」
「だからどういうことよ」
「言ったままよ。けれど卒業したらね」
この娘は天理教の教会本部勤務が決まっています、私と同じで教会の娘さんです。
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