第五章
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二人は老冒険家を護りつつ恐竜達がいる地域も回っていった、その中で。
老冒険家はある恐竜、草原にいた巨大な雷竜を見て言った。
「あれだ」
「あのでかいのですか」
「あれはウルトラサウルス」
この恐竜だというのだ。
「この地域にはいないとされていた」
「それがですか」
「この浮島にいる」
このことがというのだ。
「大きな発見だ」
「そうなのですか」
「だからすぐに」
老冒険家は勇んだ声で話した。
「あの恐竜の近くに行って」
「写真を撮ってですか」
「それは絶対だよ」
まさにと言ってだ、老冒険家はカメラを出した。第一次大戦後の一九二〇年代のそれを思わせる造りだ。
「そうしてレポートも書いて」
「そうしてですか」
「学会で発表するよ」
「この浮島にあの恐竜がいたと」
「本当にいた、それはもう報告していたが」
「先生もですね」
「この目で見たんだ」
それならというのだ。
「こんな嬉しいことはないよ」
「何といいますか」
少年の様に目を輝かす老冒険家を見てだった、ジオンゴは言った。
「先生は生粋の冒険家ですね」
「そうなのか」
「学者であり」
職業は違うがというのだ。
「好奇心、探求心が幾つになられても」
「衰えていないか」
「素晴らしいことです」
こう彼自身に言うのだった。
「まことに」
「そう言ってくれると私も嬉しいよ」
これが老冒険家の返事だった。
「まことに。では」
「それではですね」
「あの恐竜の写真を撮って」
そしてというのだ。
「レポートを書いて大学に帰ったら」
「その時は、ですね」
「論文も発表しよう」
こう言ってだった、そのうえで。
老冒険家は実際に恐竜の写真を撮って色々と調べてレポートも書いた、そうして帰路についたがその時も猛獣達が襲ってきてジオンゴ達は彼を護った。
老冒険家は大学に戻るとすぐに論文を書いて発表した、この時にジオンゴ達の名前も協力者として盛んに出したがそれは旅の冒険者としてであり二人が実は星の者達であることは知られなかった。そうして。
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