暁 〜小説投稿サイト〜
逆さの砂時計
純粋なお遊び
合縁奇縁のコンサート 27
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の敵になるぞお〜?」

 鳴きながら頭を低くして睨むアオイデーさんを、お父様は鼻で笑う。
 フィレスさんは何も言わないけど、少々困り顔だ。
 悔しげに沈黙した小鳥を見て勝利を確信したのか。
 笑みを深めたお父様は、けれど、次の瞬間。

『……よっぽど悪魔……バケモン……』
「すみませんすみません、卑賤の身でありながら貴き御身の御威光を貶める無礼千万で厚顔無恥な言動の数々を見苦しくも披露してしまいましたこと、心より伏してお詫び申し上げます故、何卒それだけは空より高く海より深い寛大な御心の内に秘めていただきたく、どうかどうかどうかお赦しくださいお願いしますお願いしますお願いします????」
 
 スパッと真顔に切り替わり。
 残像も追いつけない速さでプリシラ様の足元に土下座した。

 お父様、それ、プリシラ様の前では絶対見せちゃいけない姿勢(よわみ)ーっ!

 アオイデーさんとお父様の間を行き来したプリシラ様の目は。
 案の定、獲物を見定めた狩人のそれに色を変えていく。

 ……う、うん。
 見なかったことにしよう!
 ワタシハ、ナニモ、シリマセン。

「あー。つまり、その鳥形の女神? が、何も無いと思ってた所にいきなり現れたんで、ミートリッテが驚いて奇声を発した、ってことで良いのか?」
「左様でございますわ、ロザリア様」
「! お休み中に騒ぎ立ててしまい、申し訳もございません」
「ん。りょーかい。そりゃ、何も無い所から突然鳥が出て来たら、誰だってびっくりするわ。それはしゃあないけど、結界は関係者しか入れない設定にしてある筈なのに、どうしてアンタは入り込めたんだ? 生粋の女神だから人間混じりの私の力は通用しない、とか?」
『ここの結界はお前が認めた相手のみを受け入れる物だろう。認めた相手と音を同調させれば、結界の仕掛けを(あざむ)く程度は容易いぞ』
「……なんか、そう言われると欠陥があるみたいだな、結界(これ)
『属性の相性の問題だ。気にするな。こんな芸当は、魂を形成する物質をも操れる『言霊』の使い手か、身体の形を自在に変えられる程度の強力な『音』の使い手か、あらゆる歪みを在るべき姿へと誘導するアーレストか、魔王レゾネクトにしかできん。『空間』を司る聖天女マリアにも不可能だ』
「母さんにもできない?」
『別の結界をぶつけて一部を破壊する、までが精一杯だろうな』
「ふぅん……相性、ねえ? そんなもんなのか」

 クロスツェルさんの腕は離さないまま。
 反対の空いている手で、自らの後頭部を掻くロザリア様。
 何気に、近寄るのは避けてるんですね。

「ところで。アオイデー様に、いくつかお尋ねしたいことがあるのですが、よろしいでしょうか」
『なんだ?』

 ロザリア様との会話が途切
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