純粋なお遊び
合縁奇縁のコンサート 27
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ない小鳥を見て、楽しそうに笑った。
プリシラ様も、私を見てにっこりと笑い。
「公の場でなくて良かったわね?」
……あ。
これは『今回に限り赦してあげるけど、次はない』ですね。分かります。
「以後! 重々気を付けます!」
向けられても嬉しくはない笑顔に、再度頭を下げつつ。
大急ぎで第一補佐の仮面を被り直す。
今日だけで、どれだけ評価を下方修正されてしまったか。
せめて現時点より低くならないように、気を引き締め直さなくては。
うぅ……胃が痛いぃ……。
「いや、あの、説明くらいはしてくんないかな? いきなり叫んでいきなり謝られても、コッチには何がなんだか、さっぱりなんだけど……」
つと、室内をぐるりと見回したロザリア様が訝しげな目で私を見据えた。
はい、すみません。ごもっともです。
「えぇと、実は」
「そこに鳥が居るだろ?」
「「鳥?」」
説明しようとする私の声を遮って、お父様が小鳥を指し示した。
ロザリア様とクロスツェルさんが、同時に指の先を見やり、いまだ絨毯に埋もれている小鳥と目を合わせる。
「その鳥は堕天使なんだとさ。自称だけど」
「は? 堕天使って……本物の神、か? 今はこの世界を離れて爆睡してる連中の、元仲間ってヤツ?」
『そうだ』
「っうわ?? 喋った?? 鳥が??」
「これは……」
跳ね上がるロザリア様の両肩と、見開かれたクロスツェルさんの両目。
ですよね? そうなりますよね?
驚いた私がおかしいんじゃないですよね?
『私の名はアオイデー。お前の母マリアが属する天神の一族、代々の巫が仕えていた神々の一柱にして、『音』を司る女神。現在は神々と道を違えて人知れず人間世界を見守っている女神だ』
「この、鳥のさえずりと、女っぽい声……これが鳥の力なのか? 左右から同時に話しかけられてるみたいで気持ち悪ぃ。女神とか言われても鳥にしか見えないし……変なの」
『気持ち悪いとは失礼な。鳥は仮の姿だ!』
「おおぅっ??」
小鳥……アオイデーさん? が、勢いよくぱたたっと羽ばたき。
ロザリア様へ向かって飛んでいく。
『お前には見えていなかっただろうが、私は過去にもお前と会っているぞ。厳密に言えば、悪魔狩りに勤しんでいたアリアのほうと、だが』
「へ?」
身構えたロザリア様の周りを一周した後。
白金色の前頭部に、すとんと降り立つアオイデーさん。
私にもああやって乗ってたのかな。全然気付かなかったけど……
……あれ? なんだろう。
鳥とか声とか気付かないとか、妙な既視感が。
『アリアシエルの一番都市リウメ。主神殿の下で眠る者の記憶はあるか
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