純粋なお遊び
合縁奇縁のコンサート 27
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達、別れた後いったい何をしていたの? 帰宅してたんじゃなかったの?
「子供達は貴女が身を寄せているであろう親戚のお宅を手分けして探していたそうですが、日暮れに間に合わなかった為に自警団を頼り、もしかしたら教会へ礼拝に訪れているかも知れない、となったようですね。勝手ではありますが、貴女の親戚は私で、貴女は少し前に街を出たと話を合わせておきました」
「雪を被ったままだったから早めに帰したのに、どうしてそんな……」
「此方の品を、貴女に差し上げたかったのだそうですよ。私が届けると約束してお預かりしました。それから、伝言です」
『お土産、見付けられなくてごめん! 次は負けないからな!』
「…………そう」
アーレストさんにと思って買った物と同じ形・違う色の、六花を模した髪留め。
きっと、あの子達もおばさまのお店で買ったのね。いろいろ考えて、決まらなくて、選べなかった事を気にして、せめて私にだけでもと……。
「そう……」
あの子達が教えてくれたお土産候補は、子供が好きな物ばかりで。ロザリアやクロスツェルへの贈り物としては幼さが引き立ってしまっていた。
でも、あの子達なりに、真剣に考えてくれていたのよね。
「また、来なくちゃ」
「はい」
アーレストさんの手から髪留めを受け取り、帽子と手袋を脱いで白金の髪に差し込む。
左のこめかみ辺りを飾る青白い結晶は、樹脂で固めた「ラリマー」の屑石だろう。地肌に触れる部分がひんやり冷たくて、じんわり温かい。
「アーレストさんにも付けてあげましょうか?」
「……はい。お願いします」
琥珀色の結晶を受け取り、膝を突いたアーレストさんの右のこめかみ辺りにそっと差し込む。
ほら、予想通り。虹彩に近い色合いがよく似合っているわ。とっても綺麗。
「ふふ。お揃いね、私達も」
「ええ……お揃い、ですね」
お互いの目を見て笑い合って。
また一つ、巫の頃の私には得られなかった大切なものが降り積もる。
守り切れるかどうかは、今度こそ、私次第。
「やあ。教会内に綺麗な花が二輪も咲いているね」
「あ」
「……大司教様」
扉を二回叩く音に振り返ると、開いた扉の反対側からコルダさんがひょこっと顔を覗かせた。その右手には折り畳まれた跡がしっかり残る小さな紙切れ。
「到着したんですね」
「うん。入り口に着いたところで丁度良く上空を旋回してた鳥を見付けてね。回収してきたよ。礼拝堂に居る信徒達には話しておいたから、ご飯をゆーっくり食べた後で出発しよう。レゾネクト君も、おいでおいで」
老齢の大司教様に手招きされ、無言で後を付いて来る黒ひよこ……もとい、子供姿のレゾネクト。
慣れって怖いわね。もう、驚きもしなければ嘲笑も浮か
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