第五章
[8]前話
「自分が弱いから起こるもんやないやろ」
「起こる原因は別にやな」
「あるやろ、それがわからんで」
「おかしくなることはか」
「とんだ見当違いやと思うわ」
まさにというのだ。
「ほんまにな」
「そういうことか」
「ああ、そう思ったわ」
今回の件でとだ、こう話してだった。
アグアルーザはカブラルを騒動を収めた祝いにルアンダに戻った時に彼の馴染みの居酒屋に案内した。そうして色々なものを注文した。
ビーフステーキの上に目玉焼きを乗せて野菜サラダを添えたビフェコンオボエサラダ、鶏肉を炭火で焼いて裂いてから千切りキャベツを乗せてから塩とビネガー油をかけ辛いピーマンベーストを添えたフランゴサラダ、大きな白身魚の切り身のスチームにジャガイモと人参にキャベツのスチームに生大蒜を添えたガルーパナコジーダコンバタタコジーダ、牛の内臓を多く入れて煮込んだカルネのモーリウ、茹でたマニオクという芋類の料理であるマンジョーカ、赤豆を煮て裏ごしし塩味スープにし具に玉葱やキャベツやマカロニをいればソバ、デザートのオレンジのゼリーに酒はビールを注文してだった。
二人で乾杯してから飲み食いをはじめた、そして宴が中盤に至ったところで。
アグアルーザの手にあるものが宿った、そこで彼は自分の心の中に語ってくる言葉をそのままカブラルに話した。
「これはウティホの錐や」
「大工道具やな」
「そや、強力な武器でな」
それであると共にとだ、アグアルーザはマンジョーカを食べつつ話した。
「しかも手先も器用にしてくれる」
「そうしたもんやな」
「それでな」
アグアルーザはさらに話した、ソバを飲む間も心の中に語り掛けてくる言葉は続いていてカブラルにさらに話した。
「わい自身も変わった」
「どう変わったんや？」
「能力が全体的に一回り上がった」
そうなったとだ、フランコサラダを食べるカブラルに話した。
「神託を適えてな」
「そうなったんやな」
「有り難いことにな」
「それは何よりやな」
「それでやが」
今度はビールを飲んでだった、アグアルーザは話した。
「これからのことやが」
「ああ、どないするかやな」
「わい等の目的はこの世界を救うことや」
「それでやな」
「これで終わりやないから」
「それでやな」
「次の場所に行こうな」
こうカブラルに言うのだった。
「ここで飲んで食べて」
「その後でやな」
「そうしよな」
アグアルーザはまたビールを飲んだ、そうしてだった。
彼はことが終わったことを祝いかつ学んだことを反芻しつつ次のことを考えていた、その目にあるものは実に色々なものでありかつ前も向いていた。
おぞましい見当違い 完
２０１９・８・２２
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