667部分:炎は燃えてその十一
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炎は燃えてその十一
「あの曲をバラードにしてな」
「それでなのね、この曲は」
「いい曲だ」
また言う彼だった。
「とてもな」
「そうよね。この曲だったら未晴も」
「後であの曲も奏でてみる」
その間奏曲についても話した。
「それでいいな」
「ええ、いいと思うわよ」
竹林はそれを聞いて笑顔で彼に応えた。
「それでね」
「そうだな。それではな」
「まずはその曲で」
「次はあの間奏曲だ」
そういう順番にしていくというのだった。
「そうする」
「わかったわ。じゃあね」
「歌もある」
正道はまた皆に言ってきた。
「この曲の歌もね」
「そっちもあんたが作ったの」
「それもなのね」
静華と咲がそれを聞いて言ってきた。
「それもなのね」
「相変わらず徹底してるわね」
「曲もないと駄目だ」
正道はまた言った。
「それもだ」
「それが凄いのよ」
「何曲も何曲も未晴の為にね」
「そっちと同じだ」
正道は彼女達と同じだという。
「それもだ」
「まあ私達はね」
今の彼の言葉に応えたのは奈々瀬である。
「未晴、絶対に忘れられないから」
「だからか」
「私、一度逃げかけたけれど」
そのことはまだ覚えていた。しかしであった。
「けれど。やっぱりね」
「今ここにいるな」
「未晴、大好きだから」
俯いてはいる。しかししっかりとした言葉だった。
「だからね」
「それと同じだ」
正道はここで彼女に、奈々瀬に対してこの言葉を返したのだった。
「おたく達とな」
「私達と」
「だから何曲でもこいつの為に作る」
そうするというのである。
「こいつが元に戻る為ならな」
「そうなの」
「それだったら」
今度は明日夢が言ってきた。
「いいかな、私達も」
「何だ」
「歌わせて」
こう言ってきたのである。
「それでいいかな」
「この歌をか」
「一人で歌うよりね」
さらに言ってきた。
「皆で歌う方がいいかなって思ってね」
「そうだな」
正道も明日夢の今の言葉に頷いた。
そうしてそのうえで。皆を見回してから静かに言うのであった。
「それはその通りだ」
「そrでいいわね」
「ああ、歌詞はだ」
一枚の紙を出してきた。それを明日夢に手渡すのだった。
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