16 紫陽花の咲く場所
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気になったらお兄ちゃんが連れてってあげるよ」
「うん・・・!」
男女二人は静岡に到着していた。
「ここがシズオカってところね」
「ああ、まずはホテルで寛ぐか」
(目指すはあの清水か・・・。房子総長もいい場所を選んだな・・・)
翌日、かよ子は急いで学校へ向かった。いつもより30分も寝坊してしまったのだった。
(はあ、はあ、はあ・・・!!)
何とか間に合った。朝礼の後、かよ子は長山から声を掛けられた。
「山田」
「な、長山君・・・」
「昨日は小春に紫陽花を見せてくれてありがとう。小春、凄く喜んでたよ」
「う、うん・・・!」
「ところでさ」
長山は話を続ける。
「最近どうも世界が変な風になってきてる気がするんだ。あの地面の揺れからね。山田もいつの日かそんな奴と戦っただろ?」
「う、うん、そうだよ」
「その時、山田も不思議な力を持ってたよね?」
「うん、私、不思議な能力を持った杖で戦ったんだ。その杖は私自身はお母さんから貰ったんだけど元々は別の世界の物なんだって。今日空を翔ぶのに使った羽根もついこの間その世界の人が来てくれたんだ」
「へえ。『別の世界』ってあるのか」
「そうだよ。その世界ってのは他にあるらしいんだ。その杖や羽根をくれた人のいる世界は平和を維持する為の世界だったよ。でも前に学校を襲った人はそれとはまた別の世界の人間なんだよ」
「そうか。やっぱり現実が歪み出しているのか・・・」
「うん、だから私、元の日常を取り戻す為に戦う事にしたんだよ」
「そうか、僕は山田ならきっとできると思うよ」
「え?うん、ありがとう!」
二人の男女は清水の街を歩く。そんな時、町の不良が三名、ぶつかってきた。
「オイ、オッサン、オバサン!チョッと気い付けやがれよ〜」
「貴方達がぶつかって来たんでしょ?謝るのは貴方達の方よ」
「アア!?エラそうなオバサンだな!痛え目に遭いたくねえならさっさと金だしな!」
「そんなにお金が欲しければ働いて得なさい」
「何だと!?屁理屈ばっか言いやがって!」
「やっちまうか!」
不良達は二人に襲いかかる。しかし、女は右手を出すと、不良を触りもせずに壁に叩きつけた。
「な、何だ!?」
「貴方達、私は『この世』の人間だった頃、息子を処刑された事があるのよ。それも貴方達より若い年で」
「だ、だから何だよ!?」
「私は憎しみがある。私はボリシェビキという組織で暴力の必要さを学んだの。死んで別の世界に行った後、ニホンセキグンという組織の人間と会い、この世に戻ってきたのよ」
(ぼりしぇびき・・・?にほんせきぐん・・・?その組織はまさか・・・!!)
不良が組織名を聞いて気付いた時には遅かった。
「本当の『暴力』とは何か教えてあげるわ」
女は指を鳴らす。
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