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魔王の友を持つ魔王
§8 逃亡した魔王の反省会
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気配も監視されている様子も、ない。

「おかえりなさーい。晩御飯食べよ?」

 そういって準備を始める恵那の後姿が見える。

「……もしかして待っててくれたの?」

 まさか、と思いながらも聞いてしまう。

「うん。流石に家主様を無視して食べるのは気が引けるしね。一人で晩御飯っていうのもつまんないし」

「……すみません」

「…………ごめんなさい」

 思わず土下座してしまう。お腹が空いていただろうに、料理を作って更に待っていてくれる優しさに申し訳なさで胸がいっぱいになってくる。

「いいよいいよ。待ってたのは恵那の勝手だし。あ、お風呂も入ってるけど先に入ちゃう? 急用があったなら疲れてるでしょ?」

 笑顔で風呂を先に勧めてくる恵那。まさにいたせりつくせりである。外出理由の詳細を隠してカンピオーネを探しに行っていた黎斗としては罪悪感しかない。ここで先に風呂などというわけにはいかないだろう。

「先にご飯いただくよ。洗い物は僕がやるから先にお風呂入っちゃって」

「私も洗い物の手伝い……は出来ませんね…… 布団敷いてきます」

 いうが早いか駆け出すエル。食事先にしようと言う暇すらなかった。補足しておくとこのアパートは多くの部屋があるわけではない。某幻想殺しの人と違い黎斗には浴槽で寝る根性はない。つまり居間に恵那、エル、黎斗の順で布団(エルは籠の中に柔らかい毛布を敷き詰めるのがお気に入りらしいので厳密には布団、籠、布団の順であるのだが)を敷いている。エルが真ん中で寝ているのはエルが最終防衛線だからだ。恵那があんまり気にしてないようなので内心複雑な気分の黎斗である。

「……」

「……」

 しばし無言の末、恵那と2人で苦笑い。おそらく口で引っ張って布団を敷くのだろうが、布団を破かないように敷くのは至難の技だろう。そんなことを考えていた矢先、雪崩が崩壊するような轟音が響く。夜更けにこの音は近所迷惑以外の何者でもない。次いでエルの助けを求める悲鳴が届く。

「マスター!! つーぶーれーるー!! 助け……!! 重……!! 」

 おそらく布団を押入れから引っ張り出したまではよかったがその後で押しつぶされたのだろう。エルの大きさならば、布団でも十分脅威になりえるような気もする。

「夕食の前に、エルの発掘作業だな。こりゃ」

 じたばたと抵抗する音がだんだん小さくなっていく。疲れてきたらしい。恵那と再び笑いあい、黎斗は居間へエル発掘に向かっていった。早く行かないとまたキツネ様にへそを曲げられてしまう。とっとと敷いて、ご飯にしよう。

「あのカンピオーネはまた明日でいっか」

 課題は全て後回し。いつもこれで首を絞めているのだが気にしない。あの男がトラブルを起こさないよう神に祈
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