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ある晴れた日に
662部分:炎は燃えてその六
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炎は燃えてその六

「本当に高校に入ってからそれがかなり深くなったんだよ」
「世話されてるんじゃないの?」
 加山はさりげなく確信を突いた。
「それって」
「おい、何でそうなるんだよ」
「誰が見てもそうだと思うよ」
 桐生も何気に容赦がない。
「だって。二人を見ていたらね」
「糞っ、何でいつもこう言われるんだよ」
「日頃の行いのせいよ」
「そうとしか言い様がないわ」
 今度は恵美と茜が彼に突っ込みを入れた。
「どう見てもね」
「ちょっとはしっかりしなさい」
「ちっ、まあとにかくな」
 集中砲火を受けながらもそれでもめげず。さらに言う彼だった。
「御前ともかなり仲が深くなったよな」
「そうだね」
 今度は竹山に言っていた。そして彼もそれに応える。
「それは確かにね」
「本当に仲良くなったよ」
 また言う彼だった。
「最初なんかもうな」
「どうなるかって思ったよ」
 今度は竹山の方から言ってきた。
「同じクラスだとね」
「何か俺言われっぱなしだけれどな」
「だってね。本当のことだから」
 竹山はなおも言う。
「最初は困ったよ。一緒のクラスだってわかって」
「へっ、俺もそれはな」
「一緒だったんだ」
「まあいいさ。何かお互いがよくわかった気がするぜ」
「そうだね。それはね」
 同じだというのだった。
「何か一緒にいるうちにね」
「色々とやってきてな」
「色々とね」
「だろ?だからなんだよ」
 それがあってのことだというのであえう。
「これまでな」
「そうだよね。それは本当にね」
「それが俺達の今作ったんだよな」
 竹山は笑って言うのだった。
「本当にな」
「そうだね。皆と同じでね」
「ああ、そうだよな」
 笑いながら話す。彼等もそうした意味で皆と同じであった。
 そんな彼等だった。そして先生達もだ。
 江夏先生と田淵先生は職員室にいた。そこで二人で横に並んで座っていた。二人の席がそれぞれそういう位置になっているからである。
「そういえばですね」
「どうしたの?」
 江夏先生が田淵先生の言葉に応えた。
「何かあったの?」
「あの子達のことですけれど」
 自分達の生徒達のことであった。
「最近今までよりももっと、ですね」
「そうね」
 その言葉に笑顔で応える江夏先生だった。
「生き生きとしてきたわよね」
「やっぱり竹林さんが」
「昨日は手が動いたそうよ」
「えっ、それは本当ですか!?」
 それを聞いて笑顔になる田淵先生だった。
「手がですか」
「ぴくり、とだけれどね」
 江夏先生は笑いながら話していく。
「動いたのよ」
「そうなんですか。今度は手が」
「少しずつだけれど元に戻ってきてるわね」
「そうですね、それは」
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