第五章
[8]前話
「おいらのものになった」
「盾やと防具やな」
「絶大な防御力を持ってて術も弾き返す」
「そうしてくれる盾か」
「これはええ盾が手に入ったわ」
ビークは玉蜀黍を食べつつ言った。
「ほんまに」
「それは何よりやな」
「ああ、ただな」
「ただ?」
「それだけやない」
ソーセージを食べながら心の中に語って来る言葉をママニにさらに話した。
「おいら自身も変わったで」
「どんな風に変わったんや」
「神託を乗り越えて」
そうしてというのだ。
「全体的に一回り強くなったわ」
「そうなったか」
「有り難いことにな」
ビールをごくごくと飲みつつ笑顔で話した。
「ほんまにな」
「それは何よりやな」
「それでや」
ビークは飲みながら話を続けた。
「これからやけどな」
「神託を適えてもやな」
「これで終わりやないから」
それでというのだ。
「次の場所にいくで」
「そうするな」
「おいら達の目的は神託を適えるか」
「それは何か」
「通過点でや」
それに過ぎないというのだ。
「この世界を救うことが目的や」
「そやな、ほなな」
「ここはや」
まさにというのだ。
「この店で飲んで食って」
「それでな」
「出発や、ビールしっかり飲んでな」
こう言ってビークはビールをまた飲んだ、そのビールは実に美味く彼は塩を利かせた料理によく合いしこたま酔うまで飲んだ。だが店を出ても次の場所に向かう足取りは確かなものだった。
塩のない街 完
2019・8・19
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