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レーヴァティン
第百十七話 西の端へその一

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               第百十七話  西の端へ
 久志はジブラルタルに向けて兵を動かした、だが主な面々は今はカルタゴにいた。そこで仲間達と話をしていた。
 南岸の地図を見つつだ、彼は仲間達に言った。
「南岸はカルタゴ以外小さな都市国家ばかりでな」
「その周りに村があってね」
 清音が応えた。
「小さな勢力になっていて」
「そんなところばかりだな」
「そうね、勢力としてはね」
「大したものじゃないな」
「そんなところね」
「古王国はかなりの勢力でもな」
 この国はというのだ。
「これといってな」
「カルタゴがダントツで大きくて」
 古王国を除くとだ。
「他の勢力はね」
「大したことないな」
「その次にヌミディアだったけれど」
「カルタゴもヌミディアも降してな」
「もうね」
「この南岸で俺達に対抗出来る勢力はないな」
「ええ、半島も入れたら」
 自分達から見て本土になるそこがというのだ。
「余計にね」
「俺達に対抗出来る勢力はないな」
「そうね、だったら」
「ああ、攻めるよりもな」
「もうこっちから使者を送って」
 そしてというのだ。
「降す方がね」
「いいな」
「いつも以上にね」
「小さな勢力ばかりだとな」
「こっちから声をかけて」
 使者を送ってというのだ。
「降す様にね」
「していくべきね」
「そうするか、兵は西に向けてるけれどな」
 それでもというのだ。
「それは脅しだな」
「積極的にはね」
「攻めなくてもいいな」
「八万の兵を向けたけれど」 
 そのジブラルタルの方にだ。
「八万も人がいる都市とか」
「ないよな、南岸に」
「ああ、だからな」
 それでというのだ。
「今はな」
「それでね」
 また言うのだった。
「軍隊を進ませながら」
「降る様に言っていくか」
「そうしましょう」
「そういうことだな」
「降るならね」
 清音は久志に笑って話した。
「それに越したことがないってのはね」
「俺達の考えだからな」
「だからよ、南岸の諸勢力も降るなら」
「それでよしで」
「ことを進めていきましょう」
「そうだな、しかし戦よりもな」
 それで降すよりもとだ、久志は腕を組んでこうも言った。
「使者を送って降らせる方がな」
「私達は多いわね」
「実際にそうなってるよな」
「カルタゴにしてもね」
「実際その方が楽だしな」 
 降らせた方がというのだ。
「城とか砦攻めたり外で戦したりな」
「そうするよりもね」
「本当に楽だからな」
「どんどんね」
「降らせて」
 そしてというのだ。
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