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前世の知識があるベル君が竜具で頑張る話
へぶん
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ンドの火炎放射によって地面がこげる。

だが、その炎もベルには届かない。

灼熱の炎はベルを取り囲み渦を描き、双剣に吸われていく。

「フランロート」

双剣から溢れた焔がベルを包む。

ベルが駆け出す。

敏捷と筋力がもたらした一歩の踏み込みが、ダンジョンの地面を僅かに凹ませた。

ヘルハウンドは飛び出してきたベルを見て勝利を確信した。

燃える中での最期のあがきだと。

だが、焔の雷と化したベルによって、一撃を受け、消えない焔で内側から焼かれて行った。

「見える!」

ベルはヘルハウンドの炎の中でもはっきりと敵が見えていた。

その炎を壁にして、ヘルハウンドへ接敵。

斬りつけた後、即座に火線を辿り、また斬りつける。

首を、顔を、腹を、背を。

一撃でも受けたなら消えない焔が毒のようにまわる。

そして火線の元を全て灰にした後。

「見えてるよ。オルトレスク」

バルグレンが輝き、幾つかの穴から肉の焦げる音がする。

オルトレスク。

任意の場所の温度をあげる竜技。

任意の場所、つまりは知覚できる場所。

今のベルに、死角は存在しない。

「行ける…」

「何処にいくの?」

「これ以上ソロで下層には行かせねぇからな」

「うっ……この声は……」

ベルが振り返る。

「アイズさん…ベートさん…何故ここに………」

「ロキの命令だよ。魔法が発現したからお前が夜ダンジョンに行くだろうってな」

「ベルが一番よく使う竜具はバルグレン。バルグレンを使ってベルが戦う時一番相手をしやすいのはヘルハウンド。
さらにベルが試したい魔法の効果を考えれば、ここしかなかった」

質問に完璧に答えた二人に、ベルが肩を落とした。

「僕そんなに分かりやすいですか?」

「「うん」」

ベルがため息をつく。

「おら、帰るぞ。さっさとゲート開け」

「はい…」

双剣が燃え上がり、焔が闇と化す。

ベルが構えた大鎌を振った。

「アイズ、先行け。俺はウサギが逃げねぇよう後ろから見てる」

「わかりました」

アイズがヴォルドールをくぐり、ベル、ベートと続いた。

ベルがヴォルドールを閉じた時。

トン、とベルの首筋にベートの手刀が落ちた。

崩れ落ちたベルをアイズが受け止める。

「寝るか」

「ん」









翌朝、ベルはヘヴン状態だったがヘヴンすぎて即座に気絶した。

「プークスクスクス…童貞ワロタ」

「レフィーヤ先輩と同じ部屋に閉じ込めますよモビーさん?」

「あ、はい、スイマセン」

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