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ある晴れた日に
656部分:悪魔その十七
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せた。それが何よりの証拠だった。
「それでうちも親父が切れて追い出したんだよ」
「そうなのよ。上で大騒ぎになって」
 スタープラチナと白鯨は同じビルにある。スタープラチナのカウンターがある階のすぐ上が白鯨の階になっているのである。そうした構造なのだ。
「何かって思ったらお父さんがそのお客さんを追い出していたのよ」
「うちと同じだな」
「それでもう二度と来るなってなって」
「だよな。それはな」
「普通しないわよね」 
 明日夢はビールを飲みながら話した。
「そんなことは」
「まあ普通はな」
 佐々も言う。
「だから今でも覚えてるんだよ、はっきりと」
「全くどういう育ち方したのかしら」
「生き方もな」
 二人共目に見えてはっきりと怒っていた。
「そんなことしないって」
「絶対にな」
「何か凄いお客さんがいるのね」
 茜もそれを聞いて述べた。
「話を聞いてるだけだと」
「世の中ってそうなのかもね」
 咲がここで言った。
「結局のところ色々ととんでもない人がいるのよ」
「そういうものなのかしら」
 茜は彼女のその言葉に応えたのだった。
「あいつだけじゃなくて」
「そうかもね。残念だけれどね」
 静華はこう茜に言った。
「本当にそれはね」
「ほら、気を取り直してな」
 佐々が音頭を取ってきた。
「いいな。それじゃあ」
「ああ、それだったら」
「どんどん飲んで食って」
「また明日」
 こんな話をしてからまた飲み食いに移る。彼等も決意を確かなものにしていた。


悪魔   完


                 2010・1・2

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