§7 欧州の大魔王、襲来
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?????どうしてこうなった。
対面に座る護堂が助けを求める視線をこちらへ向けてくる、が勘弁願いたい。いや、むしろ助けてほしいのはこっちの方だ。ひとにらみして黙ってもらう。本日何度目かもうわからないが、ためいきを吐いた。隠す気力はとうの昔に尽きている。
「ホント、どうしてこうなった……」
時間は昼休み前に遡る……
箸を運悪く落としてしまった黎斗は箸を洗いに教室から水場まで足を運んでいた。教室へ戻るまでの時間はそう、3分あるかないかというところだろう。その間に「何か」が起こった、のだろうきっと。
教室の扉を開けた瞬間、黎斗の視界に映るのは、助けを求める護堂の視線。周囲を見渡せば、ある方向を見ている男子生徒達。中心に居るのはやはり護堂とエリカ。2人の傍に居るのは霊視能力がすごい美少女巫女。
「……ok なるほど」
大体状況が予想できてしまった。しかし、この後の展開を予想できなかったのが黎斗の明暗を分けることになる。
「護堂ってばマジ漢だな……」
そんなことを思っている間に、事態は取り返しにならないところまで進行していたようだ。彼らが行動を起こし始めた。どうやら席を移動するようだ。まったく、ご苦労なことである。触らぬ神に祟りなし、そっと道を譲ろうとして?????
「ホラ、黎斗行くぞ」
「ゑ?」
気づけば護堂は黎斗の弁当をご丁寧に持っている。
?????コイツ、僕も巻き添えにする気だ!!
戦慄する黎斗。女性陣を見るが既に2人ともこの場にはいない。護堂に半ば引きづられるように、黎斗は教室を後にした。高木をはじめとする男子生徒諸君が哀れみの眼差しをむけている。気分はドナドナだ。
こうして今の状況がめでたく完成となってしまった。
エリカが自分のみ例外的に食事等に参加することを許しているのは、エルを連れているからである、と黎斗は思っている。完全な一般人が妖狐を飼いならすことはまずない。つまり必ず何かある。敵対する気配は現時点ではないようだが要注意。日常の中で正体を暴く。おそらくそんなところだろう。アパートの方を盗聴、といったことをしないのは、相手の実力がわからない以上盗聴が危険と判断したのか、はてさて盗聴がもたらすメリットと露見した際のデメリットで天秤にかけたときに比重がデメリットのほうに傾いたのか。黎斗にはわからないが多分どちらかだろう。時々、彼女から探るような視線を向けられることだし。護堂とのいちゃつきを邪魔しないからというのも理由に含まれている気もするけれど。
普段はこのおかげでぼっちを回避できていたのだが、今回は恨まざるをえない。誰が好き好んで痴話喧嘩に参加せにゃならんのか。リア充爆発しろ。口には出さずに呪いを呟きながら、弁当をつっつく。
あまり得意で
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