§7 欧州の大魔王、襲来
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闇と同化した瞬間、流浪の守護は効力を失った。
1000年を超えるであろう時を生き、膨大に溜め込まれた呪力が噴き出した。劣化していた流浪の守護の上からアーリマンの権能を使ったのが原因か、流浪の守護に穴が開いたのだ。彼の気配が露出したのは、日本で初めての事。容易に観測できてしまう、突如出現した、神にも匹敵する謎の莫大な力。一瞬だけとはいえ、未だかつてない事態に、正史編纂委員会をはじめとする各種組織は大混乱をすることになるのだがそれは余談である。
「……逃げられたか。いや、助かったというべきか」
相手の気配を見失ったヴォバンは、知らず知らずのうちにでてていた汗をぬぐう。おそらくあの少年はもう捉えることは出来ないだろう。気配を遮断する術を持つ存在を”死せる従僕”で見つけ出すのは至難の業だ。なにより、消え去る直前に感じた魔力。あの強大な力の持ち主に無策で挑むのはいくら自分でも厳しいだろう。
「ふん、まぁいい。次に会うときはその命、貰い受けるとしようか」
誰もいない空間に、死の宣告が読み上げられる。次の決闘に心を躍らせ、東欧の魔王は姿を消した。
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