§7 欧州の大魔王、襲来
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はないと言っていたが、恵那お手製のお弁当は自分で作る何倍もおいしかった。
「……で、いいよな? 黎斗」
護堂の呼びかけに、意識を再びこちらへ戻す。
「え? ごめん聞いてなかった」
「だから今日エリカを家に連れて行かなきゃならないんだけど万理谷と一緒に来てくれないか? 俺だけじゃこいつを抑え切れそうにないし」
これ以上痴話喧嘩に巻き込むのは勘弁してくれ。あやうく口から出てしまいそうになったこの言葉をあわてて飲み込む。流石に酷か。もうちょいオブラートに包んでいってあげよう。
「……今日はちょっと宿題がたまっててヤバいからうれしいけどまた今度に」
途端にこの世の終わりのような表情をする護堂。ちっとも悪くないはずなのに罪悪感が沸いてくる。
「ん、時間が出来たらお邪魔してもいい?」
「おう!」
エリカに向けて勝ち誇る護堂の顔に心の中で思わず付け足した。必ず行くとはいってないんだけどな、と。エリカもそれをわかっているのか不敵な笑みは健在だ。そっと護堂に合掌しておくことにしよう。
「マスター、これ不足してる食材のリストです」
帰宅するなりちょこちょこと足元にやってきたエルはどうやって書いたのやら、メモ帳に不足食材のリストを持ってきた。……字が上手い。下手したら自分より上手かもしれない。
「……字、書けたんだ?」
「幽界に居る間ひたすら練習してましたから。私はただの狐とは一味違うのですよ? あ、私も行きますので認識阻害お願いしますね」
得意げなエルの頭を撫でて買い物袋に持ち帰る。恵那にメールを打って出発。ちなみにエルは魔力が殺菌の役割を果たすのだろうか、何故かノミがつかずばい菌を持ってこないので衛生面では食材売り場に連れて行っても問題ない。バレなければ。当然バレたら大目玉だ。もっとも認識阻害を仕掛けるからまず発覚することはないのだが。
「買うべきは……主に炭水化物と魚、調味料ね」
恵那がどうやってかよくわからないが、野生動物の肉やら山菜をとってきてくれるおかげで、肉や野菜の調達を気にせずに済むようになった。難点は肉が鹿やら熊となり豚肉や牛肉が食べられないことだがまあそれは贅沢というものだろう。どこから狩ってきたのかわからないが狼1匹を丸まる持ってこられたときには流石に困ったけれど。ニホンオオカミは絶滅していたハズだからあれは外来種だったのだろうか?
「ついでに資金調達もしてしまいましょう。はい、コレいらないであろう無駄な紙」
そういって差し出された紙はチラシ、授業で使われた数学のプリントetcetc・・・
念のため目を通してからマモンの権能を発動させ、大量のダイアモンドの板に変換する。これだけ売れば10万はいくだろう。よくもま
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