第7章:神界大戦
第216話「慈悲なき絶望・後」
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単純に強いと、出来る事も出来ない!)」
そう判断した緋雪は、シャルラッハロートを待機状態にする。
防護服や術式の維持に専念してもらい、武器を魔法で作ったものに切り替えた。
相手は素手とナイフ。取り回しにくいシャルラッハロートでは不利だからだ。
「ふっ、はぁっ!」
肉薄し、抉り取るような一撃を横から拳を当てて逸らす。
その状態から繰り出された追撃を、緋雪は魔力のナイフで受け止めた。
「ッ、ぁあっ!」
そこから、さらに膝蹴りが迫る。
緋雪は上体を逸らす事で何とか避け、体を捻って回し蹴りを叩き込んだ。
「っ!」
だが、その反撃を食らった状態から神は反撃に出る。
一瞬、緋雪の顔が驚愕に歪んだが、備えておいた魔力弾でギリギリ逸らした。
「っぜぇいっ!!」
―――“霊撃”
僅かな隙を突き、緋雪が掌底を叩き込む。
全力で放たれた掌底によって、神が後方に吹き飛んだ。
「っぐぅ……!?」
だが、神もやられたままではなかった。
吹き飛ぶ瞬間、神は掌底を放った緋雪の腕を引きちぎっていったのだ。
「くっ!」
〈“Zerst?rung”〉
すぐさまその腕を対象に、緋雪が“破壊の瞳”を使う。
腕自体は意識すればすぐに再生できるため、大した傷にはならなかった。
「(予想しきれない……!それに、このままだと倒す手段がない……!)」
概念的な攻撃手段は、一応存在する。
だが、その手段を成功させるには時間が掛かる。
元生物兵器とはいえ、一介の人間である緋雪には、概念的干渉は難しいからだ。
しかし、それを叩き込まない限り、勝ちはない。
「(考える前に攻撃が来る。こうなったら……一か八か!)」
概念的攻撃をどうするか考える暇もなく、神の攻撃が迫る。
何撃かを防いで凌ぎ、自身を中心に辺り一帯を爆破。
同時に自身は転移魔法で間合いを離し、緋雪は決断した。
「……さぁ、さぁ、さぁ!!我が狂気は世界をも浸食する!人の罪、人の業の権化を今ここになそう!いざ、染め上げろ!我が狂気に!!」
〈ッ……!いけません!お嬢様!〉
―――“悲哀の狂気-タラワーヴァーンズィン-”
自分が最も扱える概念である狂気。
それを叩きつけるには、この切り札しかないと緋雪は判断。
シャルラッハロートの警告を振り切って、狂気を映し出す結界を展開した。
「(これで、一気に……!)」
〈相手の領域に踏み込んでいます!〉
「―――これを待っていたァ!!」
続けられたシャルラッハロートの言葉と同時に、神が叫ぶ。
「……ぇ……
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