第7章:神界大戦
第216話「慈悲なき絶望・後」
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く。
何かの予兆なのだろうが、緋雪はそれよりも先に次の一手を打つ。
「外から反射できても、内側からはどうかな!?」
「ぬ、ぐ、ぅ……!」
「限定展開!」
―――“悲哀の狂気-タラワーヴァーンズィン-”
本来なら結界として広範囲に展開するものを、神を包む程度に狭める。
そして、神の体内から狂気の波紋を広げる。
「ッ、ぁアあああアああアあアアああアあアアアアあアああアアアアアっ!!?」
狂気の波紋が神の体内で乱反射し、神の心を蝕む。
同時に、罅がさらに広がっていく。
「なんでも反射するのが、仇となったね……!」
罅が完全に広がり、緋雪を模った姿が砕け散ると同時にその神は倒れ伏した。
緋雪のコピーも同時に砕け、役目を果たした分身も消えて行った。
「不定形の神……と言うか、人型を取っているのが不思議なんだけどね」
倒れた神の姿は、まるで靄のように実体がなかった。
“鏡の性質”の特性上、確固とした姿は持っていなかったのだ。
「これで、私の所は倒せたけど……」
周囲を見渡す緋雪。しかし、周囲には誰もいない。
「(引き離された……と言うか、戦場が別になってるね)」
本来ならば、同じ場所で戦っていたはずだが、神界はそうはならない。
“別で戦う”と言う行為をしている限り、お互いの戦闘が干渉する事はない。
そのため、緋雪が周囲を見渡しても奏や司は見当たらなかった。
「(乱入って形で、どっちかを助けに……)」
〈お嬢様!〉
「ッ!」
シャルラッハロートが、焦ったように警告を出す。
緋雪もその警告の意図を即座に理解し、その場から飛び退く。
直後、寸前までいた場所を閃光が貫いた。
「ひゃははははははははははは!!」
「ッ―――!?」
回避した事で安堵する暇もなく追撃が来る。
ナイフの形を取った理力と素手による攻撃の嵐を、緋雪は何とか凌ぎ切る。
「(新手……!)」
ナイフの腕と体術は、そんなに技術の伴ったものではない。
まさに暴力の嵐と言った形で緋雪に襲い掛かる。
「(間違いない。こいつ、狂気を持ってる……!)」
「そらそらそらぁっ!」
狂気の赴くままに攻撃している。
かつて、自分もそうだったからこそ、そう緋雪は判断した。
「(やりづらい、だけじゃない!)」
「ひゃはぁっ!!」
「ッ!?ぐっ……!」
それだけなら、先程までの緋雪のコピーと同じだった。
だが、違うのはそこに理性や自我が伴っているかどうか。
躱したと思った矢先、体勢を考慮しない蹴りによって緋雪は吹き飛んだ。
「(まる
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